2019年に設立されたMannaは現在、母国のダブリンの郊外で食品や食料品を配送している。ピーター・ティールのFounders FundとDST Globalの支援を受ける同社のCEOのボビー・ヒーリーは、アイルランドでのテストを2023年までに完了させると述べている。
EUにおけるドローン規制は、欧州航空安全局(EASA)の指導のもとで、2019年から段階的に整備されており、来年はMannaのような新興企業がビジネスの拡大を許される重要な年になる見通しという。Mannaが最初に欧州のどの地域に進出するかは、各国の法律の整備状況や、どのような空域をスタートアップに開放するかにかかっている。
「当社としては、各国のルールに従い500フィート以下の空域を商業化したいと考えている。欧州の各国は、ドローンによる配送を望んでいるが、いくつかの国が他の国より進んだルールを設けようとしている」と、MannaのCEOのヒーリーは述べている。
Mannaは、ここ数週間の間、ダブリン北部の郊外のバルブリガンでテスト飛行を重ねている。人口が約2万5000人この町には、さまざまなタイプの住宅が密集し、絶好のテスト環境と言えるという。同社は、大手スーパーマーケットのテスコ(Tesco)と、食品のデリバリーの実験を進めている。
ドローンを用いたデリバリーは、約10年前に始まり、ここ数年の努力が今ようやく実を結びつつあるとヒーリーは述べている。
「今から8年ほど前にジェフ・ベゾスの話を聞いた人々は、米国での進化の遅さにがっかりしてきたが、彼らは、欧州の規制の規制環境が急速に整い始めていることを見るべきだ。この状況は、2023年以降に大きく加速するはずだ」
ヒーリーは、欧州での彼らのライバルがフィンランドで事業を展開しているアルファベット傘下のWingになると考えている。「この市場は一社が独占するものにはならないが、それと当時に完全な自由競争と呼べるものにはならないだろう」と彼は語る。
「人口密集地の上空を飛ぶための安全基準を満たす航空機を作るには、多くの資本と多くの時間が必要になる。我々は、ダブリン空港を飛び立つエアバスA320に匹敵する安全性を示す必要があるのだ」とヒーリーは続けた。