世界的VCが出資、急伸する「企業間決済の次世代化」UPSIDERの今後

UPSIDER・CEOの宮城徹

「世界的なベンチャーキャピタルである米DST Global Partnersからの投資は、顧客からの評判がきっかけでした」

企業間決済の次世代化を行う、法人向けカード事業のUPSIDERは5月11日、米DST Global Partners、WiLをリード投資家に約54億円の第三者割当増資、約100億円の追加融資枠の確保による総額約150億円の資金調達を発表した。今回の調達(シリーズCラウンド)で、2018年5月の創業開始からの累計調達金額は200億円となる。同社CEOの宮城徹はそのように話す。

 同ラウンドでは、Meta(旧・Facebook)、Alibaba、Slack、Airbnbなどに投資をしてきた米DST Global Partners、日本ではSmartHRやCaddiなどに出資している米Arena Holdings、香港Tyborne Capital Management、三菱UFJキャピタル、セゾン・ベンチャーズが新規引受先として参画。また、既存投資家である、WiL、ANRI、グローバル・ブレインも追加出資している。21年10月のシリーズBラウンドによる約38億円の資金調達から約7ヵ月での新たなラウンドとなる。 

「(前回ラウンドからの)期間は短いが、事業成長のスピード感があるからだ。シリーズB完了から半年で4倍以上の売り上げ成長を実現している。アクティブな顧客数が1000社以上で、かつ、顧客セグメントも成長企業から広がり、上場企業の顧客が急増。それに伴い、顧客あたりの決済金額も増加している。利用継続率も99%以上だ。事業に積極的に投資をすることで、より大きく市場獲得できる確信が強まっている」(同社CEO・宮城徹)

同社の法人カード事業の特徴は、成長企業から高く評価されている最大1億円以上の利用限度額や、バーチャルカードの発行・管理機能、会計処理の早期化を助けるSaaS機能といった機能がある。また、ガバナンスなどが重要な上場企業向けには、利用先の制限、権限設定機能、Slack連携機能など、新たにリリースされた機能が、支出管理の厳格化、経費精算業務の簡略化、会計処理の早期化につながる。
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文=山本智之、写真=小田駿一

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