ビジネス

2022.05.10

アリババが東南アジア子会社Lazadaに490億円注入、欧州事業を強化

Getty Images

東南アジアのEコマース大手の「ラザダ(Lazada)」が、親会社の中国のアリババから3億7850万ドル(約492億円)の資金注入を受けたことが5月9日の提出書類で確認された。シンガポールのスタートアップ系メディアのディールストリート・アジア(DSA)によると、アリババは2020年6月にラザダに13億ドルを出資しており、今回の出資はそれ以降で最大の規模だという。

ロイターによると、アリババは最近、中国での競争が過熱する中で成長を多様化するため、ラザダを欧州に進出させようとしている。アリババはすでに中国からの越境販売を行うAliExpressを通じて、ヨーロッパに進出している。

1億5900万人の利用者を抱えるラザダの、2021年9月までの12カ月間のGMV(取引総額)は210億ドルだった。競合のSea Group傘下の「ショッピー(Shopee)」は昨年、625億ドルのGMVを記録しており、ラザダは遅れをとっている。

先日シンガポールで新本社を開設したラザダは、東南アジアの6カ国で事業を展開している。ショッピーは、ポーランドやスペインを含む13カ国で事業を展開し、フランスにも進出したが1カ月で撤退していた。

アリババは2016年にラザダの株式の51%を10億ドルで買収し、その後さらに10億ドルを投じて83%まで出資比率を高めていた。同社は2030年までにラザダのGMVを1000億ドルに伸ばし、ユーザー数を3億人に増やすことを目標としている。

編集=上田裕資

ForbesBrandVoice

人気記事