トーマス・リプトンは、斬新なアイデアと独自の流通を開拓し「紅茶王」と呼ばれた人物。その功績から、ヴィクトリア女王より「Sir(サー)」の称号を授与されました。
1850年スコットランドの食料品店の息子として生まれたトーマス・リプトンは、腕試しにわずか15歳で単身渡米を決意。ニューヨークで商売の基礎を学んだあと、再び故郷のグラスゴーに戻った21歳の誕生日に自分の店をオープンします。
両親の店を手伝っていた頃から、客の方言に合わせた言葉で話しかけたり、卵を母の小さな手で客に渡すことにより大きく見せたりと、際立つ商才を見せていたというトーマス・リプトン。チェーン展開と広告がこれからの成功の鍵と考えた彼は、パレードやキャンペーンを打ったり、世界で初めてのクーポンを発行したりと、斬新な宣伝手法で店舗を次々拡大していきました。
紅茶事業に参入したのは、すでに実業家として成功していた39歳の時。紅茶ブームに商機を見出した彼は、1890年セイロン島の大規模茶園の経営を開始。茶葉の栽培、生産、ブレンド、梱包などを一括するによって紅茶の品質向上とコストダウンを図り、高級品だった紅茶を庶民も楽しめるものへと変えていきました。
ビジネスを成功させ「Sir」の称号まで得たトーマス・リプトン。彼はこんな言葉を残しているそうです。
「大切なことは、ビジョンを持ち、決断し、素早く行動すること。それがチャンスをつかみ、そしてチャンスを生かす道なのだ*」
*出典:https://www.sirthomaslipton.jp/story/
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