会見で山田進太郎代表取締役CEOは、今後の注力領域の一つとして暗号資産やブロックチェーンに関するサービス企画・開発を担う子会社の「メルコイン」事業をあげ、その言葉の通り、6月17日に暗号資産交換業の登録を完了した。メルカリの売上金やポイント、「メルペイ」の残高を使ったビットコインの取引機能の提供等を、今年度中に始めるという。
それに先駆けメルカリは昨年12月、プロ野球のパ・リーグと手を組みNFT事業に参入。日本で初めてスポーツリーグの試合映像を使用した、「パ・リーグ Exciting Moments β」の提供を開始し、第6弾の販売に至っている。
同社はスポーツNFTにどんな未来を見据えているのか? 執行役員NFT担当でメルコイン取締役の伏見慎剛氏に話を聞いた。
オリックス・バファローズ山本由伸投手のノーヒットノーラン達成記念特別ラインナップ
──「パ・リーグ Exciting Moments β」ではまず第1弾として、名場面の動画をレア度に応じて25000円(最大供給量20個)、5000円(同50個)、2000円(同100個)で販売されましたね。反響はいかがでしょう?
不思議なもので高いものから売れています。やはりファンとしては、特別なシーンを保有したいという気持ちがあるのだと思います。
例えば、今年4月に千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が完全試合を達成した際の全27アウトのメモリアルシーン販売で、13者連続奪三振シーンをすべて購入された方がいました。
第2弾では、第1弾の状況を受けて50000円(最大供給量10個)のラインナップを販売し、約9割分ご購入いただきました。そして第3弾で、より多くのお客様にコレクションいただけるように、1000円(同150個)のラインナップも販売することにしました。
──サービス開始から約半年ですが、販売目標と達成度は?
日本ではまだまだNFT自体に馴染みがなく、認知を広げる段階なので、短期的な数字は特に意識してません。
ただNBA Top Shotが現にスポーツNFTの可能性を示しているわけですから、NFTを「大衆化」させることを目標に、中長期的な目線で取り組んでいます。
──スポーツ領域から、NFT事業に参入した経緯を教えてください。
大きく2つあります。1つは、メルカリグループには鹿島アントラーズがあり、地域社会に根ざしたスポーツビジネスに取り組んでいくマインドがあること。
もう1つは、NFTビジネスにおいて、スポーツの試合の定期性が強みになるからです。プロ野球であればシーズン中には週に3、4試合行われ、そのたびにストーリーやドラマが生まれる。企業としてNFT事業を行う上では特に、この定期性は魅力的です。
メルカリは二次流通のマーケットプレイスを運営していますが、今回初めてコンテンツの発行にまで踏み込んで、まずは一次流通からスタートしました。
次のステップとして現在、ブロックチェーン上でのサービス提供、再販機能の提供に向けたさまざまな準備を進めています。ブロックチェーンにはNBA Top Shotを手がけるDapper Labs社のFlowを採用する予定です。
\特別ラインナップ/
— パ・リーグ Exciting Moments β【公式】 (@PacificLeagueEM) May 25, 2022
ノーヒットノーランを達成した#東浜巨 投手のメモリアルシーンを販売中!
2塁ベース付近に打たせ、ダブルプレーに!!
センター前へ抜けそうな打球をアウトにし、
安打を許さず切り抜けた!!
ラインナップをチェックhttps://t.co/68P3fYPFPQ#ExcitingMoments #sbhawkspic.twitter.com/7wNGW6y0MT