楽天のJリーグ公認NFTが「唯一無二のアート」である理由


「×アート」の“編集”を追求


「CULTURERISE(カルチャライズ)」と名付けた、試合の名シーンに独自のアートデザインやエフェクトを加えたNFTです。今回はスプレーアートというグラフィティアートの文化を、Jリーグのプレーに掛け合わせました。

J.LEAGUE NFT Collection Players Anthem CULTURERISE PACK

──アートの要素を加えることで、独自の発展を遂げようとしているわけですね。

アメリカではMLBのベースボールカードやボブルヘッド(選手のミニチュア首振り人形)などの文化があり、NBA Top Shotの高騰の仕方もそれに似ているところがあります。

一方、日本ではポケモンカードなどが価格高騰しているものの、スポーツカードの市場はそこまで発展しているわけではない。

スポーツNFTもまだ付加価値を高め、特徴や楽しみ方を啓蒙していかないと難しいタイミングだと考えて、アートを掛け合わせるといった“編集”に着手したわけです。これまでのJリーグになかった世界観だと高い評価をいただいています。

今後はさらに、旬のアーティストやシンガーとコラボするラインナップ「SPECIAL」を計画しています。

名プレーをアートと捉えれば、まさにアート×アート。新たな価値が生まれ、投資目線の人たちへの入口にもなると思います。年内の実現を目指しています。

──「Rakuten NFT」では、スポーツに限らずアート作品なども販売されていますね。

スポーツ、アート、そして音楽、アニメ漫画、ゲームの5つの分野にターゲットを絞っています。共通する狙いは、コアなファンがいて、コミュニティを醸成しやすいという点です。

「Rakuten NFT」

──反響はいかがでしょうか?

そもそも日本のインターネット人口の中で、NFTを購入したことがある、もしくは所有したことがある人の割合は数パーセントしかいないんですね。

にもかかわらず、例えば、最初に販売したアニメ『ULTRAMAN』の「ULTRAMAN」78パックと、日刊スポーツの競馬がテーマの「黒鉄ヒロシGI激闘史『2010年シリーズ』」900パックは、即日完売になりました。5分で売り切れたものもあります。想像以上の反響で、サーバーに負荷がかかりすぎてしまったくらいです。

Rakuten NFT「黒鉄ヒロシGI激闘史『2010年シリーズ』」

5月末に初めてリリースした「Rakuten NFT Art Gallery」も非常に好評で、発売翌日には完売しました。もちろん第2弾の販売を予定しています。

すでに二次流通をスタート


──他社との大きな違いは、二次流通マーケットが始まっていることですね。


「個人間マーケットプレイス」においてユーザー間で売買を行えます。「Rakuten NFT」サービス開始日の2月25日にオープンしました。

──誰がどう売買したかの履歴が、本当に全て一目瞭然に表示されています。

ユーザーに安心安全にNFT取引をしてもらううえで欠かせないことだと思います。

NBA Top Shotでは我々が実装している以上の統計データをオープンにしていますし、その他あらゆる海外のNFTプラットフォームの研究もしています。

我々も今後、さらにさまざまな統計を出していく計画があります。
次ページ > 二次流通の現状は──

文=木崎伸也 画像提供=楽天グループ 編集=宇藤智子

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