──海外の事例で注目しているものは?
ジェネレーティブNFTが流行しています。いくつかの要素を組み合わせて、イラストなどを自動生成するというものです。
例えば、服や髪型、サングラスといった要素が掛け合わされて1つのキャラクター作品になります。レア度によって数百万円で取引されているものもあります。
また、メタバースもトレンドですよね。今後はメタバースの中で着ることができるユニフォームなどがNFT化され、二次流通で売買される日が来るのではないでしょうか。
もし人気ゲームのフォートナイトの中で、お気に入りのサッカークラブのユニフォームを着られたら、みんなに自慢できたりして楽しいですよね。
フィナンシェ共同創業者・取締役COOの田中隆一氏
──今後の課題は?
やはり認知度。まだアーリーアダプターの方が気にしている程度で、ファンの方に広く手にしていただけるところまで行くには、時間がかかると思っています。
現在、リーグとチームを合わせて60団体くらいと提携していますので、成功事例を増やして市場を作っていきたいです。
──いま描いている近未来について、聞かせてください。
1つは海外。我々はスポーツ以外にエンターテインメントやアートの分野も扱っていますので、日本のコンテンツを海外のコミュニティにも届けていきたい。
そしてもう1つは、プラットフォーム化です。
今年の夏までにコインチェック社の「Coincheck IEO」で「フィナンシェトークン」を販売する予定です。イーサリアムブロックチェーン上で発行され、「FiNANCiE」で発行したクラブトークンやNFTに横串を通す役割も担います。
IEO(Initial Exchange Offering)はトークンを活用した資金調達方法で、暗号資産取引所が主体となって審査および販売を行う仕組みです。
これらの特徴を効果的に活用して事業を拡大し、トークンの価値を長期的に向上させていきたいと考えています。
田中隆一◎株式会社フィナンシェ取締役COO。清水東高等学校、慶應義塾大学理工学部卒。外資系コンサルティング会社を経て、2002年DeNA新規事業の立ち上げを経験。2005年にノッキングオンを共同創業し、ゼンリンデータコム社へバイアウト後、2010年ソーシャルゲーム最大手Zynga所属。2012年にシンガポールを拠点としたUniconでブロックチェーン技術を研究する。2019年フィナンシェを共同創業。