メタバースへの期待高めるファッション業界、相次ぎ新戦略を展開

(c)ROBLOX


デジタルファッションのスタートアップ、ドレスX(DressX)によれば、デジタルファッションは本質的に、サステナブルだ。実際の服と比べ、デジタルの服1着を生産するのに必要な炭素は97%、水はおよそ4立法メートル少なくて済む。また、在庫処分のための値引き販売や寄付を行ったり、廃棄処分したりする必要もなくなる。

ただ、実在しない衣類に実際にお金を使う人は、どれくらいいるのだろうか──?オンラインで過ごす時間が長くなれば、自分のアバターの見た目が気になり始める人は多いだろう。Robloxによると、同社のユーザーの5人に1人は毎日、自分のアバターを更新しているという。

また、高級ブランドのアイテムも、オンラインであれば購入しやすいという面もある。ビバリーヒルズのロデオドライブにあるバレンシアガで、ランウェイで披露されたばかりの最新のスタイルを手に入れることができる16歳はほとんどいないだろう。だが、デジタル版をわずか数ドルで購入し、オンラインで友人たちの前で自慢げに披露することはできる。

一方、これを投資の機会とみる人たちもいる。NFT(非代替性トークン)で購入したファッション・アイテムの価値が高まれば、それを転売して利益を得ることができる。

ファッション業界はどう変わる?


ブランド各社は今後、商品をまずデジタルの世界で試験的に発売し、フィードバックを反映させた形で、実際の商品として販売することができるようになるだろう。また、より幅広いバックグラウンドを持つデザイナーたちが活躍できるようになるとも考えられる。

まだ正確に理解されていないことが多く、メタバースが“主流”になることはないとの見方を示す批判家たちもいる。だが、それでも世界最大規模のファッション・ブランド各社は確かに、メタバースを真剣に捉えている。そして、迅速に対応しようとしている。

編集=木内涼子

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