ボトックスが変えた老化のあり方と今後の展望

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米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology:AAD)会員のミッシェル・ヘンリー(Michelle Henry)医学博士が、自身の皮膚科診療所で一番よく聞かれる質問のひとつは、ボトックスを始めるのに適した年齢はいつかということだ。「それは、生活習慣を含む多くの要因に基づいているので、人それぞれに違うかたちで答える必要がある」とヘンリー博士は言う。

「食生活、喫煙、日焼け止めクリームの量は、老化に影響する。これらは外的要因だが、親から受け継いだものなど、自分では制御できない内的要因もたくさんある」

実際のところ、老化の仕方は人それぞれであり、一般的なルールは存在しない。骨格や、メラニンの生成の仕方も、老化に関与している。ヘンリー博士によると、26歳でしわが見え始める人もいれば、46歳まで見えない人もいるという。「私は、現状をよく観察し、それに従って治療を行う。顔のしわとは、加齢から来るダメージや、皮膚を引っ張っている筋肉のたるみから生じるものだ」

ボトックスの今後の20年について、ヘンリー博士は、ボトックスの適応外使用は、より創造的になり続けると予測している。「もちろん私は、標準的な3カ所の治療を毎日ずっと行なっている」とヘンリー博士は言う。「しかし、たとえば鼻を治療してその先端を上げるなど、ボトックスの適用において、我々がより創造的になっているのは確かだ」

カラザース博士は、ボトックスは今後、健康維持のルーティンや予防の一部とみなされるようになると予測している。「健康維持のルーティンと予防は、ミレニアル世代が本気で取り組もうとしているものだ」とカラザース博士は指摘する。「私はボトックスが、世界的に受け入れられるウェルネスプログラムの一部になると思っている。人は、ベストな状態でいるために、見た目もベストにしたいと思うものだ」

最近は、ボトックスによって表情筋が変わることで、うつ症状の緩和にも効果がある可能性が指摘されており、こうした可能性も引き続き注目を集めるだろうとカラザース博士は考えている。

翻訳=ガリレオ

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