プラスチックごみ削減への対策として紙素材使用への関心が世界的に高まるなか、オフィスビルなどで多用されている紙コップの多くは可燃ごみとして処理されていると5社は認識している。
そこで、5社はオフィスでのマイボトル利用促進や循環型社会の推進に貢献するべく、マイボトルの利用率とマイボトル利用による廃棄物削減効果の検証を目的とする同実証の実施を決定した。
マイボトル利用による洗浄の手間を解消し、紙コップ由来の可燃ごみやペットボトルなどの廃棄物削減を目指す同実証は5月20日まで実施される。専用コーヒーマシンを東京建物の本社7階オフィス内に設置し、対象社員約300名は配布されたボトルでコーヒーを飲む。また、自動洗浄機を7階オフィス内に、卓上食洗機を給湯室に設置する。
5社が発表した各社の役割は、以下のとおり。
東京建物:実証フィールドの提供、社員による洗浄機の利用状況を監視しアンケートを実施。実験やアンケートの結果を踏まえ、今後同社が保有・運営する他物件での展開を検討
サーモス:ボトルの提供。真空断熱構造を持つボトルは、適切な温度を長時間保ち、結露せず、漏れない
パナソニック:マイボトル専用自動洗浄機の提供。同実証用に2種類の洗浄機を開発した。高速ボトル洗浄機は、新開発ノズルによる高圧水流と高温水により、1回約1分でボトル内部とフタを同時洗浄する。既存の卓上食洗機を改良した卓上型ボトル洗浄機は、複数のマイボトルを同時洗浄・乾燥でき、清潔に保管できる
アペックス:マイボトル対応型コーヒーマシンの提供、味の素AGFと共同でコーヒー豆を商品化
味の素AGF:コーヒー豆の提供。アペックスと共同でコーヒー豆を商品化
自宅でコーヒーを飲むように、オフィスでもマイボトルを利用してコーヒーを飲むことを促進する同実証では、紙コップなどの廃棄物の削減が見込まれる。マイボトルのライフサイクル全体の環境負荷についても、マイボトルの素材・利用回数・洗浄工程などをもとにした今後の考察を期待したい。
マイボトルを含むリユース容器の使用が世界で推進されているなか、日本でもこうした取り組みが進められ、廃棄物・環境負荷が削減されていくことが期待される。
【プレスリリース】東京建物、サーモス、パナソニック、アペックス、味の素AGF 自動洗浄機を活用したマイボトルの利用促進に関する共同実証実験を開始
※この記事は、2022年5月にリリースされたCircular Economy Hubからの転載です。