後悔は不可避だが有効活用すべき ダニエル・ピンクの教え

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ピンクは後悔に関する数千件もの発言を分析し他の研究とつないだ結果、人々が最も後悔していることにはその人が最も評価していることが示されていることを発見した。これこそ、人生の役者と著者の両方になることと大きな関係がある。

「この本の中核となるポイントは、後悔は至って普通のことだという点にあると思う」とピンク。「誰もが後悔する。しかし後悔について人々の経験を集め始めると、人によってあまり差がないことを知り、私は驚いた」

ピンクは、世界中から集めた後悔には驚くほどの共通点があることに気づいた。例えば思い切って行動しなかったことに関する後悔だ。「人々は、大胆さに関する後悔を持っている」とピンク。「その理由の一部として、人間は不死身ではなく自分は永遠に存在しないこと、死ぬこと、すぐに消えるほど短い時間しか地球上に存在しないことを理解していることがある」

ピンクによると、4つの後悔のカテゴリーには他につながりに関する後悔がある。

「つながりに関する後悔が私たちに教えてくれることは、私たちが愛を必要としていることだ。私たちが人生を通じて求めているものは愛で、これは恋人との愛だけではない」(ピンク)

ピンクは、社会と私たちの愛についての考え方が恋愛としての愛の概念に傾き過ぎていると考えている。私たちは、より広い意味で愛について考える必要がある。

「子どもや親、その他の家族や友達、同僚、隣人以外にもさまざまな人に対して持つ愛が、私たちの人生に一体性、完全性、意味、そして目的を与えてくれる」(ピンク)

ピンクは、誰もが後悔を持っていることを非常にうまく説明している。誰しも「後悔しない」ことを人生のモットーとすべきではない。

同書の最後のセクションでは、後悔について学び、対処し、後悔している人を支援さえできるポジティブで進歩的な仕組みが説明されている。ピンクはこれを「Regret Optimization Framework(後悔の最適化の枠組み)」と呼んでいる。

「人々は実際に後悔を感じると思うが、それよりもつらいのはそれにどう対処すべきか分からないことだ」とピンク。彼の最新の書籍「後悔しない」人生戦略などのナンセンスにどう対処するかを知るための素晴らしい支援となるものだ。

翻訳・編集=出田静

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