性被害疑惑「解決求める」 女子テニス協会、ツアー開催地で中国排除継続

彭帥(Photo by TPG/Getty Images)

女子テニス協会(WTA)は、中国の元高官からの性的被害をSNSで告発したとされる彭帥の問題が解決されるまで、年内は引き続き中国で大会を開催しない考えだ。

女子ダブルス元世界ランク1位の彭は昨年11月、中国の張高麗元副首相から性的暴行を受けたと短文投稿サイトの微博(ウェイボ)に投稿した。投稿はのちに削除され、彭のアカウントも見られなくなった。

彭の安否がわからなくなるなか、WTAは12月、今年秋に中国本土や香港で開催される予定だった9大会について、彭をめぐる状況が不透明なことを理由に取りやめを決めた。

彭は今年2月の北京冬季五輪に姿を見せ、性的暴行で告発したことを否定したほか、投稿は自分で削除したと主張した。だが、WTAはこの疑惑に対する正式な調査や、本人と直接会って話し合う機会を求める姿勢を崩していない。

WTAのスティーブ・サイモン最高経営責任者(CEO)はポッドキャストの番組「Tennis Podcast」に出演し、「彭も、中国政府も、そしてわたしたちも納得のいくような解決策を見いだしたい」と強調。「わたしたちは中国から手を引こうとしているのではありません。今はそこでの活動を停止しているということです。それは解決策が見つかるまで続くでしょう」と語った。

さらに「わたしたちの決意は揺るぎません。2023年には、それまでの進展を踏まえた解決策にいたり、再び中国に戻ってこられるよう望んでいます」とも話した。

米国の元駐中国大使でWTAの諮問機関のメンバーを務めたこともあるウィンストン・ロードは、中国での大会開催の中止というWTAの決定について、とくに中国でのビジネスを続けている米プロバスケットボール協会(NBA)に比べ「勇気ある」措置だと高く評価している。

テニス専門局「Tennis Channel」のジョン・ワータイムによると、中国での開催が中止になった大会のうち、半分以上はこれまでに代わりの開催地が見つかっている。ツアー最終戦のWTAファイナルは欧州で開催される可能性が高いという。

編集=江戸伸禎

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