ライフスタイル

2022.05.08 12:00

EV市場でいちばん可愛いのは、間違いなく「フィアット500e」

フィアット500e


でも、例えば日産ノートe-POWERと比べて、500eの回生ブレーキの減速力はグーンと強いので、慣れが必要だ。最初の数十分、アクセルを離したら、なんでも停止線より前で止まってしまった(笑)。つまり、アクセルの使い方を完全に習い直すことになる。でも、一回慣れたら、非常に楽しいクルマと言える。
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ドライブの様子

ドライブモードには「ノーマル」「レンジ」「シェルパ」の3つがあり、レンジとシェルパではワンペダルドライブの機能が使える。この2つのモードで減速力にほとんど違いは感じなかったけど、シェルパだけが電気の消費を最小限に抑える設定になっている。つまり、電力を抑えるために、エアコンやシートヒーターは使えなくなり、最高速度は80km/hまでに制限される。

バッテリーを床下に搭載していることで重心が低く、コーナーではフラット感は明らかで安定した姿勢を保つ。高速道での70km/hのワインディングロードを試したけど、とても楽しかった。
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一方で、ホイールベースは短いし、タイヤは17インチだし、乗り心地は快適というより、スポーティだね。路面のアンジュレーションを引っ張る時もある。また、EVとは言っても、ロードノイズやタイヤノイズをキャビンに伝えることもある。

横からの写真

ADAS(先進運転支援システム)はかなり進んでいる。衝突軽減ブレーキはもちろん、アダプティブ・クルーズコントロールやレーンキープアシスト、ブラインドスポットモニター、交通標識の読み取り機能、バックモニター、パーキングセンサーなども装備されるので、安心して乗っていられる。日本のCHAdeMO規格にも対応するとフィアットは言っているけれど、試乗時はアダプターが間に合っていなかった。

車両のサイズやバッテリー容量、航続距離を見ると、500eはシティーコミューター的な使い方がメインになるので、家族用のファーストカーとしての役を負うにはちょっと弱いかも。でも、その走りの楽しさ、どの場面にも合う可愛いルックス、そして485万円というプライスはセカンドカーとして魅力ではないか。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター ライオン

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