そして、2022年。日産初の電気SUV「アリア」が登場。これは日産にとって革新的EVの第2弾となり、日産史上、最も技術的に優れ、生まれたばかりのEV兄弟車「トヨタ bZ4X」と「スバル・ソルテラ」などが、最大ライバルと言っていいだろう。
では、世界EVの競争が激しいDセグメント・クロスオーバーで、アリアは勝てる素質は持っているのか?
第一印象はかなり良い。外観はシャープでソリッド感があるプロポーション。リーフより100倍格好いい。アリアのカタログモデルには、66kWhと91kWhという2種類の電池容量と、FWDと4WDの駆動方式の計4グレードがオファーされている。今回試乗したモデルは、そのFWDで66kWhの「B6リミテッド」仕様だったので、そのレポートをお伝えしよう。
EVに乗り換えようと思っている人が一番気になるポイントは、ズバリいうと、539万円からの価格と、470kmという航続距離に違いない。もちろん、リアルワールドでは、その数字は400kmが妥当だろう。しかし、それは初代リーフの3倍ほどの航続距離になる!
さて、アリアより大きめの71kWhという容量を持つbZ4Xとソルテラは、アリアより100kmほど長い567kmとなっている。ところが、ソルテラのFWD仕様の本体価格は、594万円ということで、アリアより55万円ほど高い。そのトヨタ・スバルのEVの加速は、アリアより若干速いとはいえ、外観ルックス、室内の質感やデザインの良さはアリアの勝ちだし、日産が導入したアマゾン・アレクサ(後ほど詳しく説明する)の装備が桁違いの面白さなので、はっきり言って「アリアは安い」と感じたのは、僕だけではなさそう。