待ちに待った日産初の電気SUV、「アリア」は意外に手頃だ

今回試乗した日産アリアはFWD・66kWh「B6リミテッド」

日産は革新的なクルマを出す歴史が長い。1969年に手頃なスポーツカーの世界を変えたフェアレディZがあれば、2007年に登場したGT-Rは480馬力で0−100kmhが3秒を誇って、世界のスーパーカーのメーカーに衝撃を与えた。さらに、2010年には世界初の量産型電気自動車のリーフ、2006年にデビューしたカッシュカイ(日本名:デュアリス)は、欧州で日産のブランドイメージを思いっ切り変えた。

そして、2022年。日産初の電気SUV「アリア」が登場。これは日産にとって革新的EVの第2弾となり、日産史上、最も技術的に優れ、生まれたばかりのEV兄弟車「トヨタ bZ4X」と「スバル・ソルテラ」などが、最大ライバルと言っていいだろう。

では、世界EVの競争が激しいDセグメント・クロスオーバーで、アリアは勝てる素質は持っているのか?

アリアを横から見た

第一印象はかなり良い。外観はシャープでソリッド感があるプロポーション。リーフより100倍格好いい。アリアのカタログモデルには、66kWhと91kWhという2種類の電池容量と、FWDと4WDの駆動方式の計4グレードがオファーされている。今回試乗したモデルは、そのFWDで66kWhの「B6リミテッド」仕様だったので、そのレポートをお伝えしよう。
 
EVに乗り換えようと思っている人が一番気になるポイントは、ズバリいうと、539万円からの価格と、470kmという航続距離に違いない。もちろん、リアルワールドでは、その数字は400kmが妥当だろう。しかし、それは初代リーフの3倍ほどの航続距離になる!

さて、アリアより大きめの71kWhという容量を持つbZ4Xとソルテラは、アリアより100kmほど長い567kmとなっている。ところが、ソルテラのFWD仕様の本体価格は、594万円ということで、アリアより55万円ほど高い。そのトヨタ・スバルのEVの加速は、アリアより若干速いとはいえ、外観ルックス、室内の質感やデザインの良さはアリアの勝ちだし、日産が導入したアマゾン・アレクサ(後ほど詳しく説明する)の装備が桁違いの面白さなので、はっきり言って「アリアは安い」と感じたのは、僕だけではなさそう。
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文=ピーター ライオン

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