経済・社会

2022.04.30 08:30

「高すぎて家が買えない」米国人が増加、今後の見通しは?

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高いインフレ率とサプライチェーンの問題を受けて米国では住宅価格の高騰が続いているが、一部の専門家は、住宅ローン金利の上昇が需要の低下を招き、価格が横ばいになる可能性を指摘している。

米連邦準備制度理事会(FRB)が5月に、約5兆ドルの財務省証券と住宅ローン担保証券のポートフォリオを削減する準備を進めていることから、長期金利は急上昇し、10年債は3%に迫っている。

ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミストのマーク・ザンディによると、FRBの積極的な金融引き締めにより、住宅ローンの固定金利はここ数カ月で5%台にまで急騰しており、住宅販売を大きく引き下げる見通しという。

「金利の上昇は、異常に高い住宅価格と相まって、住宅の購入をほとんどのアメリカ人の手の届かない水準に押し上げる」とサンディは付け加え、現在の月平均の住宅ローン支払額の1700ドルが、昨年よりも約500ドル高く、10年前と比べて倍以上になっていることを指摘した。

パンデミック時に記録的な低水準に落ち込んだ住宅ローンの金利が、5%を超える水準に高騰したことで、住宅販売は打撃を受けるとサンディは述べている。

コメリカ銀行のチーフエコノミストのビル・アダムスは、住宅価格は現状では、低い在庫と歴史的な高インフレのおかげで短期的には急上昇しているが、消費者の買い控えと金利の上昇によって今年後半にかけて高止まりになると予測した。

一方で、住宅ローン金利もまたピークに近いと考える専門家もいる。ファースト・フランクリン・フィナンシャルのBrett Ewingは、「人々は住宅に対して過度に弱気になっているが、この状況は金融危機が発生した2007年とは違う。我々は住宅ローン金利がピークに達していると考えている」と述べた。

S&Pコアロジック社が25日に発表したケース・シラー住宅価格指数によると、2月の住宅価格は前年比19.8%の上昇で、87年の統計開始以来3番目に高い水準となった。

住宅ローン業界の成長は減速し、金利上昇の中で大手企業数社がレイオフを発表した。ウェルズ・ファーゴは先週、住宅融資担当の従業員を解雇したことを確認し、不動産フィンテックのスタートアップ「ベター・ドット・コム(Better.com)」も12月と3月にレイオフを実施した後、さらなる人員削減を発表した。

編集=上田裕資

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