1. 私たちは「すぐ忘れる」
感染者数が増加傾向にあったにもかかわらず、米連邦議会は検査やワクチン接種のために必要な追加予算を承認しないまま、イースター(復活祭)の休暇に入った。
新型コロナウイルスでも、将来に発生する別の危機でも、私たちには公衆衛生インフラへの継続的な投資が欠かせない。深刻な問題が発生する兆候がみられたとき、臨床試験の規模を拡大するなどの措置を取ることができるようにしておかなければならない。
2. 「準備」の再考が必要
私たちの対策計画には、実際に問題が発生したときにリアルタイムで順応できる柔軟性が必要だ。
これには、パンデミックの状況について分かっていることは刻々と変化し、当局はそれに応じて戦略を変えていく必要があることを、人々に広く理解してもらうことも含まれる。
3. 人はウイルスより「反応が遅い」
ひとたび条件が整えば、ウイルスの流行やパンデミックは瞬く間に発生する。そして多くの場合、それは予想外に起こる。何かが起きてから対策を強化しても、それでは遅い。
4. 「海」は助けてくれない
飛行機がなかった時代には「海」がある程度、緩衝材の役割を果たしていた。だが、現代ではそうではない。外国で感染し、まったく無症状のまま飛行機で帰国、そして数日のうちに、国内で感染を広げてしまうことがある。
新型コロナウイルスの流行において、私たちはそれを経験した。エボラ出血熱の時もそうだ。国境封鎖を考えたときには、すでに国内で感染が広がっていた。
各国間の結びつきがますます強くなる世界に暮らす私たちは、他国で起きることに常に注目しておく必要がある。それは必ず、自国でも起こり得ることだからだ。