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2022.05.04 07:00

コロナ感染による肺炎で、認知症の発症リスクが上昇


新型コロナウイルス感染症が脳や認知機能に及ぼす影響は、解明がなかなか進んでいない。「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)」の研究では、新型コロナウイルスの感染者と、精神疾患と診断された人のあいだには強い関連性があることがわかっている。特に多いのが、うつ病や不安障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などのストレス障害だ。

また、新型コロナウイルスに感染すると脳構造が変化する場合があり、嗅覚関連の細胞が損傷して嗅覚を永久に失ったケースもある。新型コロナウイルスがどう作用すると脳構造が変化するのかという点については、まだ議論が行われている。ただし、新型コロナウイルスと関連した神経性の嗅覚障害は、ウイルスそのものが直接ダメージを与えたというよりも、炎症などの症状が起きた結果かもしれない。

新型コロナウイルス感染症とアルツハイマー病との関連性を示唆する証拠もいくつかある。しかし、新型コロナウイルスがアルツハイマー病の原因となりうるかどうかの結論が出るまでは何十年もかかる可能性があると、研究者たちは注意を促している。今後は、新型コロナウイルス感染症の根本的なメカニズムを研究して、認知症などの障害を予防する方法を考案していく必要があると、「オープン・フォーラム・インフェクシャス・ディジーズズ」で発表された研究論文の著者は述べている。

一方、米国医師会雑誌(JAMA)のオープン・アクセス・ジャーナル「JAMA ネットワーク・オープン」で発表された研究は、精神疾患があると、ワクチンを接種してもブレイクスルー感染するリスクが高くなる可能性があることを明らかにしている。その原因としては、特定の精神疾患を持つ人の免疫機能が低下して、ワクチン効果が低減することが考えられるという。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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