カリフォルニア州では2018年に成立した法律で、ペットに医療目的で大麻を使うかどうかについて、獣医師と飼い主が話し合うことは認められている。一方で、獣医師がその使用を「勧めた」場合は懲戒対象になるおそれがある。法律ではその線引きがあいまいなことから、獣医師側は慎重になり、話し合い自体を避ける傾向にあるのが実情だ。
新たな法案では、州の免許をもつ獣医師は、動物の治療や健康補助のために大麻製品の処方を飼い主側に勧告することが可能になる。勧告に関するガイドラインの策定も義務づけているほか、基準を満たしたペット用大麻製品については薬局での販売も認める。
法案を提出したアッシュ・カルラ州下院議員は声明で「大麻の動物への効用は多くの証拠から裏づけられており、ペットの飼い主はその安全性や責任ある使用法について最善の情報を必要としている」と指摘。新法案は獣医師が専門的な知見に基づいて、規制されたペット用大麻医薬品の処方を勧告できるようにするものだと説明している。
今回の動きについて、動物用の大麻医薬品を手がけるVETCBD社の創業者で獣医師のティム・シューは「大麻は動物の生を一変させるような効用をもたらすことができ、その命を救うことも多い」と強調。ペットとその飼い主がペットの生活を改善できる製品を利用できるようにすべきだし、獣医師にはそうした製品に関するガイドラインが示されるべきだとの考えを示した。
新法案は下院歳出委員会での審議に付された。この法案は、州民の発議と投票で成立したカリフォルニア州の大麻合法化法を修正するものであるため、議会通過には上下両院で3分の2以上の賛成が必要になる。