米国の「汚れた」青果12品目発表 残留農薬が多い野菜や果物

Getty Images

米非営利団体エンバイロメンタル・ワーキング・グループ(EWG)は、米国で販売されている青果物で残留農薬が多い12品目を集めた毎年恒例の「ダーティー・ダズン(汚れた12品目)」ランキングを公表した。

今年もまた、1位にイチゴ、2位にほうれん草、3位にケール、コラード、カラシナの葉野菜3品目が入った。4位以降は、ネクタリン、リンゴ、ブドウ、ピーマンやパプリカを含むトウガラシ類、サクランボ、モモ、ナシ、セロリ、トマトとなった。

ランキングは米農務省と米食品医薬品局(FDA)による最新の検査結果を基にまとめられた。USDAとFDAは、検査した非有機農産物の70%超で残留農薬を検出。ただ、だからといって青果を避けるべきではない。

EWGの毒物学者であるアレクシス・テムキン博士は「生鮮な果実や野菜は栽培方法にかかわらず、誰もがたくさん食べるべきだ」と説明。「しかし消費者は、予算などの懸念を考慮した上で家族にとって最善の決断を下せるよう、こうした食品からどのような潜在的有害物質が見つかっているかを知る権利がある」と述べている。

ハーバード大学の最近の調査では、残留農薬を多く含む果物や野菜を食べることで心疾患や死亡のリスクが高まり、青果の消費で通常得られる健康増進効果が相殺される可能性があることが示された。

USDAは果物や野菜の検査に当たり、水洗いやこすり洗い、皮むきといった、家庭で通常行う処理を加えているため、しっかり洗えば農薬の心配は無用というわけにはいかない。農薬が検出された非有機農産物の70%超は、ほぼ全ての指標が法的上限内に収まっていた。

EWGは、残留農薬の少ない15品目のリスト「クリーン・フィフティーン」も公表している。有機栽培されたものがなかったり、あっても価格が高過ぎたりする場合は、この中から選ぶとよいだろう。今年のクリーン・フィフティーンに入ったのはアボカド、トウモロコシ、パイナップル、タマネギ、パパイヤなどで、サンプルの70%近くで残留農薬が全く検出されなかった。

編集=遠藤宗生

ForbesBrandVoice

人気記事