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2022.04.26 12:00

トランプのSNSの合併相手の株価が急落、ツイッター買収の余波で

Getty Images

ドナルド・トランプのSNS「トゥルース・ソーシャル」を上場させる計画だと述べていたSPAC(特別買収目的会社)の「デジタルワールド・アクイジション・コープ(DWAC)」の株価は、4月25日、ツイッターがイーロン・マスクからの買収提案を受け入れる構えだと報じられた直後に9%以上下落した。

ツイッターはその後、買収提案を受け入れると正式に発表し、DWACの株価は、約13%安の35.71ドルで当日の取引を終えた。DWACの株価は先週、Foxニュースがトゥルース・ソーシャルにアカウントを作成したという報道を否定したことを受けて4%下落していた。

トランプは、2021年1月6日に彼の支持者が連邦議会議事堂を襲撃したことを受けて、ツイッターを含む主要なSNSから締め出され、昨年10月に自身のSNSの立ち上げを宣言した。しかし、トゥルース・ソーシャルを運営する「トランプ・メディア&テクノロジー・グループ」のCEOのデヴィン・ヌネス(Devin Nunes)元下院議員が、3月末までにアプリを本格稼働させると述べたにも関わらず、サイトは技術的なトラブルに直面し、数百万人がリスト上で待機している状態だ。

DWACはさらに、昨年の上場前にトランプと密約を交わしたという疑惑をめぐり、米証券取引委員会(SEC)からの調査を受けている。同社の株価は、4月4日に2人の幹部が辞職したと報じられた直後にも10%以上下落していた。

DWACの株価は、昨年10月にトゥルース・ソーシャルとの合併を発表した後に、175ドルという高値をつけていた。一方、ツイッターの株価はマスクが4日に同社株の9.2%を取得したと明かして以降に上昇を続けている。

マスクによるツイッターの買収は、トゥルース・ソーシャルにさらなる苦境をもたらすかもしれない。トランプは、自身のSNSをツイッターに代わるソーシャルメディアにすると述べていた。しかし、マスクはツイッターのポリシーを変更し、自由な言論の場にすると述べており、そのことがトゥルース・ソーシャルの魅力を低下させるかもしれない。

翻訳=上田裕資

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