ホワイトナイトは現れず
その1週間後、彼は1株54.20ドルでツイッターの全株式を買い取ると提案したが、どのように資金を確保するかについては説明しなかった。これを受けて、ツイッターの取締役会は時間稼ぎのためにポイズンピル策の導入を宣言してマスクの意図を探ると同時に、いわゆるホワイトナイトと呼ばれる友好的な買い手を探していた模様だ。
「結局のところ、他の入札者やホワイトナイトは現れず、ツイッターの取締役会は、マスクが先週460億ドルの資金の出どころを詳述し、取引を迫った時点で壁際に追い込まれていた」と、ウェブドッシュ証券のアナリストのダン・アイブズは述べている。
マスクは、ツイッターが劇的な軌道修正を行う必要があり、検閲のない自由な発言を中心にプラットフォームを再構築する必要があると述べている。ツイッターは長い間、ビジネスよりもカルチャーを優先してきたが、その結果、株価は低迷を続けていた。
パンデミックによる追い風と、新たな事業プランを提示したことを受けて、同社の株価は昨年、80ドル近くまで上昇したが、ここ数カ月でその半分以下にまで下落している。アップルが個人データの追跡に制限をかけたことも、同社のモバイル広告事業の懸念材料となっている。
ツイッターは28日朝に第1四半期の決算発表を予定しており、その際に、マスクが440億ドルを投じる会社の最新の状況が明らかになる。