コロナ禍の生活も3年目となり、経済活動も低迷している情勢が続く中、彼ら新富裕層は活発にお金を動かし、経済を牽引しているという。
それでは、彼らは具体的にどのような行動をしているのか、Mastercard(R)最上位のクレジットカードとしてミレニアル世代に人気のLUXURY CARD(以下、ラグジュアリーカード)が発表した、2021年の新富裕層の消費動向を見ていこう。
彼らが「年会費66万のブラックカード」で買うものとは──
まず、2021年の全体のカード利用額は昨対比85%アップと好調。特に12月には昨対比197%という最高記録を達成した。特に伸びているジャンルは昨対比530%と大幅伸長した「納税」。次いで「ソフトウェア・クラウドサービス・広告費等」は昨対比230%と、新富裕層のビジネスシーンではDXが進んでいるのがうかがえる。
78%増の「不動産」、60%増の「車両購入」「宝飾品・ギフト用品」「ペット」をはじめ、ほぼすべてのカテゴリーが伸びている中、やはり「旅行代理店・ツアー」は10%減、「エアライン」は43%減と、この2カテゴリーのみは伸び悩んだ。
一方で、定着したおうち時間のQOLを追求する消費行動はますます盛んになっている。
実際に、ラグジュアリーカードの中でも最上位で完全招待制、入会金110万円、年会費66万円というBlack Diamondを所持しているミレニアル世代の2名に、コロナ禍での消費動向について聞いた。
入会金110万円、年会費66万円のラグジュアリーカード、「Black Diamond」
【ケース1】事業家・投資家naoki氏(27)の場合
ITや物販・インフルエンサービジネスを展開する会社など10社ほどに投資し、株主として事業や会社を支えるnaoki氏。5〜6年ほど前からこのビジネスを始め、1年で軌道に乗せた才覚の持ち主だ。
以前は海外旅行を趣味とし、1回あたり300〜500万の予算を立て、期間は2週間〜1カ月と長期で1年に10カ国ほどを訪れていたが、コロナ禍をきっかけに一度とりやめ、現在は美食めぐりを趣味としている。
「食」への支出、月数百万
仕事関連の相手を中心に、毎月何百万と食に費やす。多いときで2日に1回、少なくとも週1ペースでミシュランガイドに載っているお店を3つ星店から順に訪れる。
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中でも行きつけは、なかなか予約がとれない「東京割烹」の店、くろぎだ。大切にしているのは「ちゃんと自分に指摘をしてくれる、プライベートの先輩や仲間など、大事な人とコミュニケーションを取る時間」だ。徹底して「誰かに心地よく過ごしてもらうのが好き」で、飲食店も旅行先も、一緒にいる相手が行きたい場所に行くのを好む。