写真家とホテルマン。異業種の2人をつなぐ「意外な共通点」とは?

左・宮島芳明(東急ホテルズ常務執行役員)、右・織作峰子(大阪芸術大学教授)

ビジネスリーダーの私的な交遊を通して、彼らの“裏の顔”に迫る連載「エグゼクティブ異種交遊録」。

今回は、東急ホテルズ常務執行役員の宮島芳明と、写真家で大阪芸術大学教授の織作峰子が登場。まったくの異業種ながら、互いのプロフェッショナリズムに共鳴し、長年、友人付き合いを続けてきた2人。仕事や趣味を超えた“大人の友情”に迫る。


ホテルマンとして、写真家・織作峰子の「一瞬をとらえる力」に共感

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みやじま・よしあき◎1963年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京急行電鉄入社。博多、京都等で総支配人を務め、東急ホテルズ取締役執行役員、セルリアンタワー東急ホテル総支配人を経て21年、常務執行役員渋谷・新宿地区統括総支配人。趣味は旅と食と飲むこと。

宮島芳明:出会いは7年前、仏料理界の重鎮である三國清三さんの還暦パーティの席でした。1000人規模の会で同じテーブルになり、後日ゴルフ場で再会。2人ともお酒好きで、「今度飲みに行きましょう」と。

被写体を求めて世界を飛び回る織作さんから学ぶことは多いですよ。勝手に感じている共通点のひとつは「一瞬をとらえる集中力」。

風土によって、景色や産品だけでなく、人の性格も変わります。私たちホテル業も、お客様が仕事かプライベートか、あるいは家族でのご利用か、背景やニーズを瞬時に察知し、サービスに生かす力が必要です。

ふたつ目の共通点が「教育への情熱」。人は宝です。

3つ目が「和洋折衷力」です。

私たちは日本企業として、ホテルという洋風スタイルのなかで和の素晴らしさの創出に努めていますが、真の和洋折衷はそう簡単ではない。銀座和光で開かれた織作さんの個展で箔プリントの作品群を見て、「これだ!」と。和洋の調和が見事で、セルリアンタワー東急ホテルに飾らせていただいています。

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セルリアンタワー東急ホテルを飾る織作の作品。モノクロの桜の写真に手彩色を施し、データ化してプラチナ箔にプリント。

ちなみにこの対談の場は、大人の渋谷ナイトカルチャー発信地としてホテル2階で展開するロック&シガーバー「R261 CIGAR & ROCK」です。

2023年には新宿にエンタメ型ホテルを開業します。織作さんには、新たな作品をお願いしています。
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文=松下久美 写真=若原瑞昌

この記事は 「Forbes JAPAN No.092 2022年月4号(2022/2/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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