過去最長の「不健康寿命」に直面する私たちが取り組むべきこととは

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同レポートは、以下の6つのステップにより人々は質の高い生活を長く送ることが可能になり、その年数を全世界で合計すると450億年以上にもなると報告しています。

1. 予防と健康的な行動の促進への大きな投資

世界人口の健康状態を改善することで得られる経済効果は、かかるコストの最大4倍に達すると推定されます。一方、経済協力開発機構(OECD)諸国における予防、ワクチン接種、健康教育への投資は保健予算のわずか2.8%に過ぎないのが現状です。

2. 測定の促進とより良いデータの活用による健康への理解の向上

「測定は改善の基礎である」。測定を行うことにより、何が効果的かを理解した上で、資源の配分ができるようになるからです。しかし、健康を総合的に見た際に影響のある要因に関して、現在体系的に測定が行われているものはわずか5%なのです。

3. 効果のある医療の普及

既存の医療をより広く普及させるだけで、健康問題の影響は40%削減できると同レポートは主張。子どもの死亡率は65%減少し、典型的な65歳の人は現在の平均的な55歳と同じくらい健康になることができるのです。

4. イノベーションの多様化、迅速化

新型コロナウイルス感染拡大以前、ワクチン開発には最短で4年の年月がかかっていましたが、新型コロナウイルスワクチンはわずか12カ月で完成。これはイノベーションの迅速化が可能であることを証明しています。また、パンデミック(世界的大流行)を受け、デジタルヘルスツールへの投資も倍増しているのです。

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世界のすべての企業には、人々の健康増進のために担う役割があります。イメージ:McKinsey Health Institute

5. あらゆる産業の可能性の解放

食品・飲料メーカーから運輸部門まで、世界のすべての企業には人々の健康増進のために担う役割がある、と同レポートは述べています。各企業には、従業員の健康と精神的なウェルビーイング促進に向けてもさらなる努力が求められます。

6. 「自らの健康を守る」生活へのナビゲート

同レポートによれば、不健康な食生活、低い活動レベル、睡眠不足、薬の使用、喫煙は、世界の死因の最大60%を占めています。ソーシャルメディアを通じたナビゲートは、不健康な行動を変える一助となるかもしれません。

さらに同レポートは、「これは人類の健康の歴史における決定的瞬間である」とし、健康の劇的な改善には「より長く、質の高い生活の実現に向け社会のマインドセットと行動を大きく変えるためのこれまでにない協力が必要」と述べています。

世界経済フォーラムが発表した「グローバルリスク報告書2022年版」によると、メンタルヘルスの悪化はグローバルリスクの上位5つのうちの一つであり、パンデミックによりその状況はさらに悪化。また、グローバルリスクの8番目に「感染症による脅威」も挙げられています。

さらに同報告書では、今後2年間に世界が直面する重大な脅威トップ10の5位に感染症、6位にメンタルヘルスの悪化がランクイン。パンデミックは健康格差を拡大し、世界の医療制度に深刻なストレスを与えているとも警告しています。

(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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文=Douglas Broom, Senior Writer, Formative Content

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