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2022.04.25

インドのインフラ王が世界5位の富豪に、バフェットを抜く

アダニ・グループの会長のゴータム・アダニ(Getty Images)

2月初めにアジア一の富豪に浮上した、新興財閥アダニ・グループの会長のゴータム・アダニ(Gautam Adani)の保有資産が、さらに上昇を続けている。アダニは現在、ウォーレン・バフェットを抜いて、世界で5番目の富豪となっている。

フォーブスは、4月22日の市場終了時点で、59歳のアダニの保有資産が1232億ドルに達し、91歳のバフェットの保有資産1217億ドルを上回ったことを確認した。

アダニは、インドで6つの上場企業を保有する複合企業アダニ・グループの創業者兼会長だ。エネルギーやインフラ開発を手がける同グループは、再生可能エネルギーやメディア、空港などの分野で企業買収を活発化させ、それらの企業の株価は今年19%から195%上昇している。

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今月初め、アラブ首長国連邦のアブダビのインターナショナル・ホールディングは、アダニのグリーンエネルギー関連の企業3社に総額20億ドルを投資した。世界最大のグリーンエネルギーの生産者を目指すアダニは、再生可能エネルギー関連のプロジェクトに最大700億ドルを投資することを目指している。

繊維商の息子であるアダニは、大学を中退し、1988年に輸出事業を手掛ける貿易会社を立ちあげた後、2008年に、保有資産93億ドルでフォーブスの富豪ランキングに初登場した。

彼の資産が急速に増加したのはパンデミック以降のことで、アダニ・グループは2020年にインドで2番目に利用客が多いムンバイ国際空港の74%の株式を購入し、2021年にはソフトバンクの再生エネルギー関連の子会社「SBエナジー・インディア」を35億ドルで買収した。そして、4月22日にはインド最大の海運会社オーシャン・スパークル(Ocean Sparkle)を2億2000万ドルで買収することで合意した。

わずか2年前に89億ドルだったアダニの資産は、株価の高騰により2021年3月に505億ドルに急増し、その後のさらなる株価の上昇で、2022年2月に900億ドルに達していた

保有資産1232億ドルのアダニはインドで最も裕福な人物で、同国のナンバー2のムケシュ・アンバニの保有資産1047億ドルを185億ドル上回っている。一方で、米国の株式市場の下落でバフェットが運営するバークシャー・ハサウェイの株価は22日に2%下落し、アダニの資産はバフェットを追い越した。

フォーブスのリアルタイム・ビリオネア・ランキングで、現在、アダニよりも裕福な人物は世界に4人しかいない。マイクロソフトの共同創業者のビル・ゲイツ(保有資産1302億ドル)、フランスのLVMHの会長兼CEOのベルナール・アルノー(同1668億ドル)、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス(同1702億ドル)、テスラのCEOのイーロン・マスク(同2697億ドル)の4人だ。

編集=上田裕資

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