個人投資家向けの債券の販売の承認を得るためには通常、長いプロセスが必要であり、ウクライナは計画の詳細をまだ公表していない。
ウクライナは、ロシアによる侵攻の開始直後から債券を販売しているが、購入できるのは機関投資家や年金基金に限られている。しかし、海外からの関心は高く、先月から世界中の投資家がウクライナ財務省に国債を購入する方法を問い合わせていた。
投資調査会社CFRAのストラテジストのサム・ストバルは、人々はウクライナを支援することに非常に前向きであり、この債権が実現すれば「投資家の大きな関心を集めるはずだ」と述べている。ただし、この債権の発行でウクライナが単独で返済責任を負う場合、非常にリスクが高いものになるが、EU諸国からの資金援助があれば、リスクは低くなると彼は付け加えた。
「人々が債権の購入を通じてウクライナを助け、そのお金を取り戻すことが出来れば、双方にメリットをもたらすことになる」と、ストバルは述べた。
現在進行中の軍事衝突による損失は数百億ドルにのぼり、ウクライナが復興のために必要とする金額は5000億ドル(約64兆円)にも及ぶと、関係者はブルームバーグの取材に述べた。国際通貨基金(IMF)は19日、今年のウクライナの経済成長率がマイナス35%になると予測した。他の専門家も、ロシアの侵攻による影響でウクライナ経済が半分に縮小する可能性があると指摘している。
今回のニュースは、バイデン大統領がウクライナに追加で8億ドルの軍事支援と5億ドルの経済支援を行うと発表した日に報じられた。ロシアが2月24日にウクライナに侵攻して以来、米国のウクライナへの援助は、軍事支援を中心に30億ドルを超えている。