アイオニック5は2輪駆動と4輪駆動の2車種があるけど、2駆は1990kgと聞くと、やはりEVは重いとうかがえる。72.6kWhという大容量のバッテリーを積んでいるから、相当パワフル。そのおかげで走行距離はWLTCモードで618kmとヒョンデ側は言うけど、リアルワールドでは500km強だろう。4輪駆動のゼロから100km/hまでの加速は4秒台で、必要以上に速いと言える。静粛性は言うまでもなく素晴らしいけど、乗り心地は多少硬かった。特に段差を超える時に多少ショックがあって、すぐにはおさまらない感じだった。タイヤサイズを19インチから18インチにダウンすれば、少しはよくなるだろう。でも、意外にステアリングフィールは正確で適度な重さだった。
センターコンソールをごちゃごちゃさせたくないと言う理由で、シフトセレクターはステアリングコラムの右に位置する。
奥側に回すとドライブの「D」、手前に回すとリバースの「R」のポジションになるという設定はわかりやすい。アクセルを踏むと、微かにモーターの音が聞こえ、その加速感は滑らか、かつ力強いので走り甲斐がある。ステアリングホイールに付いたパドルで、回生レベルを選択し、アクセルオフの時は回生力が4段階に調節できる。最も強いレベルでは「i-PEDAL」というワンペダルモードで、ブレーキペダルを踏まずに走れる。少し慣れが必要だけどね。そういう4段階での回生走行ができるのに対して、高速道路では回生ゼロ、つまりコースティングモードで走った時は気持ちが良かった。
静かな室内に音質の綺麗なBOSE製サウンドシステムが装備されている。スマホをBluetoothでつないでサブスクの音楽を流すのもできるけど、アイオニック5の音楽のメニューの「自然の音」を選ぶと、「穏やかな波」「雨の日」といった癒し系のサウンドは楽しめた。波の音や雨の音などに包まれてドライブすることができるのだ! こういう特徴は、スマホ世代にはぴったりのフィーチャーではないか。
日本人はBTSなどのK-POPが大好きだし、韓国のTVドラマも好むし、LGなどの韓国製テレビを買うけど、最新のEV車となると、どうだろう。
すでに、ヒョンデはBTSに「IONIQ: I’m on it」と言う曲を歌わせているし、スパイダーマンの最新の映画にもアイオニック5を登場させている。そんな宣伝方法を使用しながら、世界的に高く評価されているアイオニック5だからこそ、とても個性的で斬新なデザインだからこそ、航続距離は500km以上だし、しかも価格は割と手頃な480万円からということで、今回の再上陸は意味があるように感じる。EVに関心のある人、とりあえず乗って見てはいかがだろう。
国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
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