同社の最高デジタル責任者でCNN+を担当していたアンドリュー・モースは、移行期間を経て退任するという。CNNの親会社であるワーナーメディアは、11日にディスカバリーとの合併を完了し、現在は「ワーナーブラザーズ・ディスカバリー」として運営されている。
ワーナーブラザーズ・ディスカバリーのデビッド・ザスラブCEOは、同社が元ワーナーメディアCEOのジェイソン・キラーをCNN+の立ち上げに起用したことに悩んでいたと、バラエティ誌は報じている。さらに、ディスカバリーの幹部はストリーミング・サービスの戦略をよく理解していなかったとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は伝えている。
ザスラブは、HBO MaxやDiscovery+を含む同社の全ブランドを1つのストリーミングサービスに統合したいと述べており、CNN+の一部の番組がいずれ同サービスで視聴可能になるかもしれないとCNNは報じている。
WSJが関係筋の話として報じたところによると、CNN+の立ち上げには3億ドルが費やされたという。ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、CNNはこのストリーミングサービスに4年間で10億ドル以上を費やす計画だった。
CNN+は、NBCやFOX、CBSなどのニュース系のストリーミングの競合になるはずだった。CNNの前社長ジェフ・ザッカーはCNN+の主要な推進者だったが、2月に突然会社を去り、その当時「CNN+は、最大の支援者の一人を失った」とNYTは伝えていた。
CNN+には、FOXを退社したクリス・ウォレスや、人気シェフのアリソン・ローマンなど、複数のビッグネームが参加していた。しかし、視聴者からの反応はいまひとつで、12日にCNBCは、CNN+の利用者数が1日あたり1万人以下だと報じていた。