ボーリング社によると、今回のシリーズCラウンドは、Vy キャピタルとセコイアキャピタルの主導によるもので、同社の評価額は56億7500万ドルとされた。今回の資金は、地下の高速輸送用トンネルの建設と規模拡大に向けた、大幅な人員の増強のために用いられる。
ボーリング社はまた、この資金を遠隔操作と自律的な運用が可能なトンネル掘削機「Prufrock」の次期モデルの研究開発に注ぎ、掘削のコストを数分の1に引き下げ、作業のスピードを劇的に向上させると述べている。
スペースXとNeuralinkの創業者兼リーダーで、テスラの共同創業者でもあるマスクは、ボーリング社が、「地球上のすべての主要都市を悩ませている交通問題を解決する」と述べている。
同社の究極の使命は、「交通の現状を打破すること」だとマスクは述べている。これを実現するためにマスクは、交通インフラを地下のループの中に配置し、地上のスペースを他の用途に解放し、渋滞を緩和して移動をより効率的にしようとしている。ボーリング社の長期的なビジョンは、「ハイパーループ」と呼ばれるプロジェクトで、真空の地下トンネルの中を高速で走行するポッドで乗客を運ぼうとしている。
現在開発中の次世代マシンの掘削能力が高まれば、都市の地下にあるローカルループをつなぎ、ハイパーループを実現することができる、と同社は述べている。ただし、ボーリング社のプロジェクトはその実現にはまだ遠く、現状では最初の主要プロジェクトとして、ラスベガスの地下に29マイル(約47キロ)のトンネル網を掘削し、51駅を結ぶ米国最大の地下交通ネットワークを作ろうとしている段階だ。
フォーブスは、世界で最も裕福な人物であるマスクの保有資産を、2629億ドル(約34兆円)と試算している。