ネットフリックスの株価は、第1四半期の加入者数が20万人の純減と2011年以来のマイナスとなったことを受けて35%以上も急落した。同社は、減少の原因がパスワードの使いまわしや競合のストリーミングサービスとの競争激化にあると述べている。
これを受けて、アナリストたちはネットフリックスの株を即座に格下げし、少なくとも10社のウォール街の投資家が目標株価を引き下げた。
バンク・オブ・アメリカは同株式を「買い」から「アンダーパフォーム」に2段階格下げし、目標株価を605ドルから300ドルに引き下げた。他にもJPモルガンやウェルズ・ファーゴ、Pivotalなどの数社が見通しを半分以上引き下げた。
業績の回復を目指すネットフリックスは、パスワード共有の制限や、安価な広告付きプランの導入計画を打ち出したが、大多数のアナリストはその効果が現れるのは数年先だと警告している。
バンク・オブ・アメリカのナット・シンドラーは、「これらの計画には一定のメリットがあるものの、ネットフリックス自身が認めているように、効果が現れるのは2024年以降のことで、待つには長い時間だ」と述べた。さらに、「同社が成長を取り戻せると投資家が信じるようになるまでには、しばらく時間がかかる」と付け加えた。
JPモルガンのダグ・アンマスは、「今後の数ヶ月、株価の下落の衝撃は続く」と述べた。ウェルズ・ファーゴのスティーブン・カホールは、「ネットフリックスの成長物語はとりあえず終わりだ」と述べた。
ネットフリックスの共同CEOのリード・ヘイスティングスは、広告付きの安価な視聴プランを導入し、新たな顧客を呼び込み、成長を取り戻せると述べている。同社は、これまで広告には後ろ向きだったが、消費者が望むなら、より安いオプションを提供することが「非常に理にかなっている」と彼は述べた。
「Huluやディズニー、HBOなどが広告でうまくいっていることは明らかだ」とヘイスティングスは述べたが、この施策の実現には最大2年がかかると付け加えた。
20日の市場ではネットフリックスの悲惨なニュースに引きずられ、競合のストリーミングサービスの株価も下落した。ディズニーとRoku(ロク)はそれぞれ約4%と6%安だった。