バーモント州サウスバーリントンを拠点とする同社は、TPGのRise Climateファンドとフィデリティが主導したシリーズBラウンドで、評価額が24億ドルに上昇したと発表した。アリアと呼ばれるeVTOLで連邦航空局(FAA)の承認を得ようとしているベータ社の累計調達額は、これで約8億ドルに達した。
アマゾンのClimate Pledge Fundは、昨年5月の同社の資金調達ラウンドに、金額非公開で参加していた。
ベータ社の創業者でCEOのカイル・クラークは声明で、「新たな調達資金で、生産施設の建設を完了し、認証作業を加速させていく」と述べた。
ベータ社のeVTOL市場の競合としては、グーグルのラリー・ペイジの「キティホーク」や、トヨタが出資する「ジョビー・アビエーション」、ドイツの「リリウム」などが挙げられる。同社は、将来的に乗客を運ぶことも計画しているが、当初は輸送分野にフォーカスし、米空軍やバイオ企業のユナイテッド・セラピューティックスらにeVTOLを提供しようとしている。物流大手のUPSは、2024年までに10台のアリアを運用し、将来的には最大140台まで増やすと述べている。
翼幅約15メートルのアリアは、最大約630キロの物資を運び、パイロットの他に5人の乗客を乗せることができる。ベータ社は、自社の航空機をサポートするだけでなく、さまざまな電気自動車を再充電できる充電ネットワークからも収益を上げようとしている。
空港への送迎を行うエアモビリティのスタートアップ「Blade Urban Air Mobility」も、既に5機のアリアを発注しており、追加で20機の発注を検討している。
TPGのパートナーのJonathan Garfinkelは声明で、「当社は、ベータ社が航空分野の長期的成長とイノベーションを推進する上で、独自のポジションを築いていると確信している」と述べた。アリアの1充電あたりの航続距離は最大約460キロとされている。