オミクロン感染で入院の米国の子ども、9割が未接種 CDC調査結果

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現在主流となっている新型コロナウイルスの変異株、オミクロン株に感染して入院した米国の5~11歳の子どものうち、約87%がワクチン未接種だったことが分かった。米疾病対策センター(CDC)が4月19日、新たにまとめた調査結果として発表した。

CDCと米国内の複数の研究機関が昨年12月19日から今年2月28日までにオミクロン株に感染し、入院した5~11歳の子ども1475人について調査したところ、ワクチン未接種の子どもの入院率は、接種済みの同年齢の子どもたちの2.1倍となっていた。

また、入院期間の中央値は、未接種の子どもたちが3日、接種済みの子どもたちは2日だった。重症化する可能性がより高いのは糖尿病や肥満の子どもだが、入院した子どもたちの30%には、基礎疾患はなかった。

CDCによると、オミクロン株が主流となって以降、感染して入院したワクチン接種済みの子どものうち、経鼻酸素チューブや人工呼吸器などによる“高度なサポート”が必要となった患者はいなかったという。

オミクロン株はこれまでに出現したその他の変異株と比べ、感染した子どもが重症化するリスクは低いとみられている。米国医師会(AMA)が発行する医学誌、JAMA小児科学に掲載された研究結果によると、昨年12月26日~今年2月17日に感染して入院が必要になった子どもの重症化リスクは、3.4%。それ以前の約22カ月間では、38.8%となっていた。

入院率はなぜ上昇?


米食品医薬品局(FDA)は、ファイザーとビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンについて、接種対象を5歳以上とすることを承認している。承認申請にあたってFDAに提出されたデータによると、5~11歳の子どもに対するこのワクチンの有効性(発症を防ぐ効果)は90.7%で、深刻な副反応は報告されていない。

それにもかかわらず、子どもたちのワクチン接種率は追加(ブースター)接種を含め、低いままだ。
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編集=木内涼子

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