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2022.05.31 16:30

フェラーリ「296GTB」、次世代のスーパー・スポーツカーの実力は

セビリア・モンテブランコ・サーキットでフェラーリ「296GTB」を試乗


試乗する前には、正直なところ、フェラーリのPHVと言われても、どんな乗り味なのか想像がつかなかった。いざ、その走りを体験してみると、従来のハイパフォーマンスな走行性能となんら変わらないどころか、低速域で電気モーターによるトルクのアドオンにより、従来のV8モデルとはまた違う次世代のスーパー・スポーツカーのフィーリングを体感できた。
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あっさり書いているが、2600mmのショートホイールベースに加えて、前後の重量バランスと低重心を実現するために、重量物であるバッテリやエンジンの位置を最適化するなど、すべてが“教科書通り”なのが、「296GTB」のスゴいところなのだ。

フェラーリ「296GTB」

なぜなら、教科書通りにクルマを作ることは、とてつもなく難しい。現実には、コストや生産プロセスなどの制約があるし、ただ最先端のテクノロジーをかき集めれば良いわけではない。
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フェラーリにとっての理想のスーパー・スポーツカー像が存在し、その理想的に近づけるために必要なエンジニアリングとはなにか? を考える、いわゆるバックキャスト型の思考に基づいて開発されているからこそ、このようなクルマが生まれてくるのだ。

830馬力ものハイパフォーマンスを手の内におさめるように堪能できると同時に、一般道での快適な走りも両立できる。スペックも、3500万円超のプライスタグも、紛れもないスーパー・スポーツカーのそれだが、いざ、身に纏ってみると、メイド・トゥ・メジャーのスーツのような特別感と心地よさを提供してくれる。そんなスーパー・スポーツカーが存在すること自体、クルマ好きにとって福音なのだ。

文=川端由美

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