ロビンフッドは、11種類の暗号通貨の売買や海外での支払いを可能にする英国のフィンテックアプリZigluを買収する契約を締結した。19日の両社の発表で、買収の条件は開示されず、この取引の成立には規制当局の承認が必要だとされた。
ロビンフッドは昨年夏のナスダックへの上場以来、株価の低迷で時価総額の約3分の2を失っていたが、このニュースを受けて同社の株価は約5%上昇した。
今回の発表は、同社の暗号通貨取引プラットフォームを、海外の顧客に開放するという野心的な目標の一部だ。ロビンフッドは今から約2週間前に、暗号通貨のウォレットサービスを200万人以上の米国の顧客が利用可能にしていた。
ロビンフッドは、長期的な目標としてZigluの顧客を同社のプラットフォームに統合し、英国や欧州への拡大を加速させていくとプレスリリースで述べた。
しかし、同社の株価は今年に入り40%下落し、ユーザーの取引活動が株式と暗号通貨の両方で大幅な減速に直面しているため、今回の動きが低迷を覆すのに役立つかどうかはまだ分からない。ロビンフッドは当初、英国でも事業を開始する予定だったが、今から約2年前にその計画を中止し、米国での顧客の拡大に専念していた。
ロビンフッドの共同創業者のブラッド・テネフとバイジュ・バットは、2020年9月の資金調達時に、同社の評価額が約120億ドルに達した際にビリオネアになっていた。しかし、株価の下落により2人は今年1月にビリオネアの地位を失っていた。
ロビンフッドのユーザー数の伸びは、2021年初頭から吹き荒れたゲームストップやAMCといったミーム株の狂乱の終了と共に減速し、第3四半期に1900万人だった月間アクティブユーザー数は、第4四半期に1730万人に減少していた。同社は今年第1四半期の収益が、前年同期比35%減の3億4000万ドル(約437億円)以下になると予想している。