ナルゲキの客層は、女性:男性が8:2。芸人は男性の割合が多いこともあり、中心となるのは10代~30代前半の女性ファンだが、児島にはその層を広げたいという意識も強い。
お笑いライブが開催される小劇場は、マニアックで暗いというイメージがあった。そのため、ナルゲキではそのイメージを変えようと劇場の設備を整えている。パイプ椅子が置かれているだけの劇場もある中で、ナルゲキの座席はふかふかで座り心地がいい。
「最近は仕事帰りのサラリーマンやカップル、ご家族連れのお客さまも増えてきています」
「この劇場を満席にするだけで安心しない」
ナルゲキの劇場契約は1年目を終え、2年目に入った。児島は新たな策として、オンライン配信でK-PROを知った地方の客にもライブを楽しんでもらおうと、芸人たちと共に各地に遠征する試みにも挑戦しようとしている。
「チケット代のみで芸人さんのギャラや旅費宿泊費をまかなうのは難しいのですが、地元の方や芸人を応援してくれる企業さんの協力も得て、各地に足を運べたらと思います」
インタビューの最後、児島は「この劇場を満席にして回していくことで安心せず、時には無茶なこともできるように……」とつぶやいた。
コロナ禍にありつつあえて劇場を構えるという前人未踏の挙に出た彼女は、すでにその先を見据えているのか。一見物静かでおとなしそうに見える児島の、この先の行動から目が離せない。