2012年にコロラド州とワシントン州が全米に先駆けて成人の大麻使用を合法化して10年たつなか、国民の間で大麻に対する肯定的な見方が広がっていることが浮き彫りになった。
調査は、米国の複数の州で大麻の栽培や生産、販売を手がけるジュシ・ホールディングスの委託を受けて独立系市場調査会社のポールフィッシュが3月17〜30日に実施した。21歳以上の米国人1100人に、大麻やその消費習慣、合法化についてどう考えているかを尋ねた。
それによると、回答者の59%は大麻が社会に対して全体的にプラスの影響を与えると考えていた。大麻産業について、米国経済の成長にとって重要とみている人は61.5%、米国の地方経済の成長にとって重要とした人は62.6%にのぼった。また56.6%は、大麻産業は国民に質の高い雇用を生み出しているとの見方を示した。
今回の調査では、大麻の合法化は党派を超えて支持する声が多いことも判明した。回答者の支持政党の内訳は民主党33.4%、共和党25.4%、両党以外や無党派計35%超だったが、大麻合法化を支持する候補に投票する傾向があると答えた人は全体の61%にのぼった。
ジュシの創業者であるジム・カチオポ最高経営責任者(CEO)は調査結果について「10年前に州による娯楽用大麻の合法化が始まって以来、合法大麻市場に入ってくる米国人は増え続けており、その結果、大麻や大麻産業全体に対する見方が顕著に変わってきている」とコメント。「規制された市場が経済や雇用拡大、社会にもたらす利益が国民に響いているのは明らかで、今後、合法化する州が増えるにつれて、こうした傾向はさらに強まっていく」との見方を示した。
調査対象者の67.6%は「米国の大麻企業も銀行サービスを平等に利用できるように連邦政府の銀行規制を解除すべきだ」という考えに賛成している。
大麻を使用する理由としては、引き続き医療用途がトップ。大麻を使用していない人では、4分の1超が大麻製品を試してみたい第一の理由に医療用途を挙げ、次がストレスだった。最初に試したい大麻製品としては大麻入り食品がもっとも多かった。
大麻を使用している人の使用頻度は、週に1、2日という人が3分の1近くを占めた。使用する時間帯は過半数が夜間と答えている。