Netflix「ラブ・イズ・ブラインド」、日本版のローカライズはなぜ成功したのか?

Netflixシリーズ『ラブ・イズ・ブラインド JAPAN』シーズン1 独占配信中

ドラマ、映画に続き、Netflixがオリジナル作品の開発に注力しているジャンルがバラエティです。

アメリカでヒットした婚活リアリティショー「ラブ・イズ・ブラインド」もそのひとつ。設定を日本に移して制作された「ラブ・イズ・ブラインド JAPAN」も、今年2月8日に全世界独占配信がスタートし、3週にわたり日本国内で週間トップ10入りを果たしました。

アメリカでヒットした婚活リアリティショーの日本版ローカライズはなぜ成功したのでしょうか。理由を探りました。

「恋は盲目」という番組フォーマット


「ラブ・イズ・ブラインド」とは、文字通り訳せば「恋は盲目」。このある意味哲学的な問いに答えるリアリティショーです。

2020年にアメリカで配信が開始されると大きな反響を呼び、アメリカで最も権威あるテレビ番組を対象としたエミー賞において、2021年にはリアリティ部門のほか2部門にノミネートされるという実績も残しました。

新しい婚活メソッドを提案する番組フォーマットは、刺激的かつシンプルなもの。参加者は「ポッド」と呼ばれるお見合い部屋で、互いの顔や姿を見ることなく、声だけで心が通った相手を見つけ、婚約まで進みます。カップルとなって初めて対面し、その後1カ月間の「バカンス」と「同棲」を経て、最終的に「結婚式」までたどり着く。カメラはその一部始終を追います。

このアメリカ版のフォーマットをベースに日本版とブラジル版がつくられ、それぞれの国の文化や時代を反映したローカライズに成功しています。

日本版の「ラブ・イズ・ブラインド JAPAN」のシーズン1では、実際に2組の夫婦が誕生し、「恋は盲目」であることを証明しました。早くもシーズン2の制作が決定し、人気バラエティとしての定着化を図っています。


Netflixシリーズ『ラブ・イズ・ブラインド JAPAN』シーズン1 独占配信中

ブラジル版も既にシーズン2の制作が、さらに本家のアメリカ版はシーズン5までのシリーズが決定しているほどの人気ぶりです。

このヒットの背景には、Netflixがバラエティ番組における新たなテーマの発掘に力を入れていることが影響しています。

これまで片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんによる「KONMARI~人生がときめく片づけの魔法~」や料理ショーの「シェフのテーブル」、ゲイの5人組によるライフスタイル改善番組「クィア・アイ」などの数々のヒット作品を生み出し、Netflixオリジナルのバラエティ番組の数は数百作品以上に上ります。

日本でもバラエティ番組の開発を強化するなか、『ラブ・イズ・ブラインド JAPAN』が制作されたのです。
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文=長谷川朋子 編集=松崎美和子

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