ビジネス

2022.04.20 06:00

バイナンスがタイの電力大手と提携、営業許可を申請へ

Primakov / Shutterstock.com

世界最大の暗号通貨取引所であるバイナンスは、タイの「ガルフ・エナジー・デベロップメント」と合弁会社を設立し、タイ国内でのデジタル資産交換プラットフォームの免許を申請しようとしている。

この提携は東南アジアで暗号通貨などのデジタル資産の需要が高まっていることを受けてのもので、ガルフエナジーは、タイでの合弁事業に加えて、バイナンスが発行する暗号通貨のBNB(バイナンスコイン)への投資と、バイナンスの米国の関連会社のBinance.USへの投資にも別途合意している。

「ブロックチェーン技術の世界的リーダーであるバイナンスとの提携は、当社が将来的にデジタル資産関連のイニシアチブを拡大するための機会を提供する」と、ガルフエナジーは4月18日にタイ証券取引所に提出した書類で述べた。

タイ最大の電力会社の1つであるガルフエナジーは、再生可能エネルギーや有料道路プロジェクト、電気通信への投資でポートフォリオを多様化してる。同社は昨年10月、シンガポールの通信大手シングテルと、タイでデータセンター事業を展開することで合意した。

ビリオネアのジャオ・チャンポン(趙長鵬、通称CZ)とHe Yiらが2017年に設立したバイナンスは、現地の当局がデジタル資産の監視を強化する中で、タイでの事業拡大を進めている。タイ中央銀行は12月、暗号通貨を決済手段として使用することを規制するルールを検討すると発表していた。これは、デジタル資産が金融の安定にもたらすリスクを抑制し、投資家に安全策を提供することを目的とした動きと思われる。

バイナンスは以前にタイ証券取引委員会とトラブルを起こしており、昨年7月に無許可で営業しているとして刑事告訴された。しかし、同社はタイで積極的にユーザーを勧誘していないと反論した。

バイナンスは最近、アブダビやバーレーン、ドバイで個別のライセンスを取得し、中東での足場を拡大している(情報開示:バイナンスは、米フォーブスへの戦略的投資を発表している)。

編集=上田 裕資

ForbesBrandVoice

人気記事