ビジネス

2022.04.19

スタートアップスタジオ協会が始動 二人の顧問が重視する「パッション」とは

イベントに登壇した、顧問の南場智子氏(左)と入山章栄氏(右)

スタートアップの創出や起業家候補の支援を目的とした「一般社団法人スタートアップスタジオ協会」の設立イベントが、4月12日に行われた。

同協会は昨年7月に設立され、以降ガイアックスを筆頭に、理事となる企業や賛同する自治体が次々に参画、組織体制も整備され、この日、本格始動を開始した。

スタートアップスタジオとは、新たな事業や起業家に対して資金やマーケティング、人材紹介での支援をしたり、アイデアの磨き上げに力を貸したりすることを事業とする組織。こうしたスタジオ事業を手掛ける企業が複数存在するなか、各社で生まれた知見や情報を集約させるべく協会を立ち上げ、スタートアップ支援の強化を目指していくというわけだ。

顧問には、DeNAの会長でデライト・ベンチャーズのマネージングパートナーの南場智子氏と、早稲田大学のビジネススクール教授の入山章栄氏が就任。設立イベントでは、両氏によるトークセッションも行われ、日本の「起業環境」ついて語られた。

起業経験者を採用する時代が来る


入山氏は、「昔は起業というと『命懸けでやれ』という雰囲気がありました。そして一度失敗すると人生の落伍者と見られていた。でも、そういった空気感は薄れてきているんじゃないかと思います。それこそ、DeNAやメガベンチャーでは、スタートアップで失敗した人たちを雇ってくれますし、いまは失敗しても食いぶちには困らない」と、起業に対する環境が改善されてきたと指摘。

これに関して、DeNAの会長でもある南場氏は次のように呼びかけた。

「一度起業して復職する出戻りの受け入れを、大企業でもやって欲しいですね。いずれは大企業も、起業経験があるような人材を求めて採用する時代が必ず来ます。なので、何の心配もせず挑戦しましょう」

セッション後の取材でも、人材の流動性について、南場氏はこう言及した。

「自らの意思で動かない人が多すぎるんですよ。人材は企業の所有物じゃないわけで、やりたい事業がある人は会社から飛び出たほうがいいし、それで元の職場がやっぱり良かったと思うなら戻れば良い」
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文・撮影=露原直人

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