ビジネス

2022.04.19 06:00

中国の自動車工場が5月に操業停止の懸念、アップルにも打撃

ファーウェイの自動車部門と消費者ビジネスグループを率いるリチャード・ユー(Photo by Adria Puig/Anadolu Agency/Getty Images)

中国のテクノロジー業界の著名な経営者2人が、上海のロックダウンが引き起こした大規模なサプライチェーンの混乱が、中国の多くの工場を5月に生産停止に追い込む可能性を指摘した。

ファーウェイの自動車部門と消費者ビジネスグループを率いるリチャード・ユーは、EVメーカーのシャオペン(Xpeng)の創業者のHe Xiaopengと並んで、特に自動車部品の供給不足について厳しい警告を発している。WeChatの投稿で彼は、1カ月に及ぶ上海の封鎖によるパーツの不足を受けて、多くのテクノロジー企業や、自動車メーカーが5月以降に生産停止を余儀なくされると述べた。

ユーの発言は、一部の国営メディアでも報道され、中国版ツイッターと呼ばれるWeiboで15日に200万回近いPVを獲得した。シャオペンのHeもその1日前に同様な警告を発していた。

しかし、2500万人の人口を抱える上海のロックダウンは終わりが見えず、3月1日以降に確認された感染者は13万人を超えている。厳しい規制に国民の怒りが沸騰する中で、習近平国家主席は、ゼロコロナ政策を堅持すると述べている

アナリストは、中国の今年のGDP成長率が、政府の目標の5.5%を下回る5%になると予想している。Lu Ting率いる野村證券のエコノミストは、13日のリサーチノートで、「中国では、3月中旬から景気後退のリスクが高まっている」と書き、「ロシアとウクライナの紛争や米国のFRBの利上げに注目が集まっているため、世界市場はその影響を過小評価し続けていると思われる」と述べた。

海外企業も対応に苦慮している。テスラは上海工場での生産を3週間近く停止させ、約4万台の生産を失った。また、台湾証券取引所に提出された書類でアップルのMacbookの組み立てを担うQuanta Computerは、上海工場の生産の停止に追い込まれたと述べた。電子機器メーカーのペガトロンも、昆山と上海の両方でiPhoneの組み立てラインを停止したと発表した。

編集=上田裕資

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