世界的な老舗百貨店に置いてもらいたい
シトウ:今はEC以外にどこで展開しているんですか?
アンナ:卸しているのは国内の2店舗です。将来的には、グローバルで店舗展開したいですね。そのために、まずはコレクションブランドとしての認知を図って、ポジションを獲得したいなと思っています。
シトウ:じゃあファッションウィークに出すことが目標?
アンナ:はい、そうです。近い将来は難しいとは思うんですけど、本当に挑戦したいですね。ヘンネを立ち上げる前からの夢でもあるので。
グローバルな舞台で見ていただいたときに、「きちんと本質を捉えて表現しているファッションブランドだよね」と、思ってもらえるレベルに自分がいるのかいないのかっていうのが、すごく気になるので、挑戦したいです。出して満足というよりは、そこで評価を受けて、ブラッシュアップしていきたい。
「HAENGNAE」2022ssコレクションより
シトウ:もしもどこでもやっていいよと言われたら、どの街でやる?
アンナ:たぶん客層的にはロンドンが合うと思うんですけど、やはりパリでやりたいっていう思いはありますね。
シトウ:たしかにロンドンっぽさはある。
アンナ:ロンドンでは、ショーよりもポップアップをやりたいんです。私は、いつか置いてもらいたいなと憧れている百貨店さんが、世界中にいくつかあって。ニューヨークだったらバーグドルフ・グッドマンとか、ロンドンだったらリバティー百貨店とか。
そういった世界的な老舗百貨店に置いてもらえるようになれば、一流として認められたということなので、そうなれるように頑張りたいなと思っています。
シトウ:「一流」なのね。若いデザイナーで「一流」っていう言葉を使う人ってそんなにいない気がします。その、「一流を目指す」っていうハングリー精神が、すごいカッコいい!
アンナ:血筋なのかな……、家族に闘争心の強い人が多いからですかね(笑)親戚に、自分でビジネスをしている人も多くて。
知識を吸収しながらアウトプットしていく
シトウ:これからの課題はありますか?
アンナ:こんなに早くブランドを持つことになるとは思わなかったので、勉強しながら成長していきたいと思っています。人一倍吸収しながらアウトプットしないとっていう気持ちがすごくあります。
シトウ:どういうものを吸収しようとしているの?
アンナ:一番は、日本国内の原材料の産地や、工場に関する知識ですね。
工業製品をつくるとなると、自分の手だけではなく工場の力を借りることになります。だからこそ、消費者の方にも「これはこういう素材で、こういう人たちがつくってくれているんだよ」と伝えたいんです。そうすることで、「大事にしよう」と長く着てくださることにつながるかもしれない。
シトウ:すばらしい!こんな志の高いデザイナーが現れるとは、日本でも稀有ですよね。期待しかない。
今日は素敵なお話をたくさん、ありがとうございました!
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