“夢は見るけど意志は強い女性”をターゲットに、ロマンチックかつエッジなスタイリングを提案する。コンセプトは、「誰かに受け入れられることを目的とせず、自愛精神を含めた“愛でる”哲学を大事にし、知性や勇気を持ちながら逞しく生きる“強きロマンチスト”のためのブランド」。
大量生産・大量消費にも強い課題感を持っており、「本質を愛して継承していくことに価値がある」として、長く着ることができる“質の高い”製品づくりも心がけている。そのクオリティの高さは、ファーストコレクションから注目を浴びている理由でもある。
後編では、長く愛されるブランドに成長させていくための戦略を聞いた。
(前編はこちら)
「つくる責任」を感じるように
シトウ:2021年7月のファーストシーズンの発表後、メディアで取り上げられたのはもちろん、11月にはセレクトショップ「リステア」での取り扱いも決まり、話題になりましたね。ファッション界の中でも“一流”の方が、こぞって推しているようなイメージがあります。
アンナ:ありがたいことに、たくさんの方に支えられています。洋服だけの力じゃないなと、本当に思います。ブランディングとか、PRとか。色々な人に関わっていただきながらですね。
シトウ:持って生まれた才能と、ニューヨーク、イギリス、日本と様々な環境で培ってきた技術の賜物なのかな。そこへの期待感がないとどんなにフレッシュであっても、その人のことを育てようという人はなかなか現れないし。
アンナ:だからこそ、つくる責任を感じるようになりました。工場やパタンナーさんの技術をお借りすればそれなりのものはできますが、自分にしかつくれないものを生み出す責任があると思うんです。
シトウ:「ヘンネらしさ」みたいなものですね。