この事態をさらに混乱させているのが、マスクに奇妙な援軍が現れたことだ。昨年11月にツイッターのCEOを退いたばかりのジャック・ドーシーまでもが、ツイッターの取締役会を批判している。
ドーシーは17日、ツイッターの取締役会が「一貫して機能不全だ」とツイートし、ベンチャーキャピタリストのゲイリー・タンの「ひどい取締役会は、10億ドルの価値を消滅させることができる」という発言に同意すると述べた。ドーシーは今でもツイッターの取締役会に籍を置いており、別のツイッターユーザーが「この発言は許可を得ているのか?」と尋ねたところ、「ノー」と返事をした。
マスクは、ツイッターの役員たちの持ち株が少なすぎることを指摘し、「客観的に見て、彼らの経済的利益は、株主と一致しない」と述べた。マスクは、もし彼らが大株主であれば、彼の素晴らしい提案を受け入れるはずだと考えている。
15日に取締役会は、マスクによる買収を防ぐためにポイズンピル策を採用すると発表した。彼らはまた、ホワイトナイト(友好的買収者)探しに乗り出す可能性もある。
マスクとドーシーの2人が、何からの形で結託していることを示す証拠はない。しかし、合計で9000万人のフォローを抱える2人の意図しないキャンペーンが、ツイッターの取締役会に対する世論の転換に重要な役割を果たす可能性はあるだろう。
ドーシーの取締役会への不満は、ツイッターの創業時にさかのぼる。2008年に、取締役会は共同創業者のエヴァン・ウィリアムズに味方し、ドーシーを解雇して、ウィリアムズをCEOに据えた。2010年にも取締役会でクーデターが起こり、ウィリアムズは当時のCOOのディック・コストロに取って代わられた。その5年後の2015年に株価が低迷する中で、コストロは退社し、ドーシーがCEOに復帰した。
ドーシーはここ最近、ソーシャルメディアの「分散化」を強く推進しているが、それが何を意味するのか、正確には分からない。ドーシーは、このアイデアを研究するために、Blueskyと呼ばれるツイッターのプロジェクトに資金を提供している。