投資銀行スティーフル(Stifel)のアナリストのマーク・ケリーは、ツイッター株を「売り」に格下げし、最近のマスクの動きが「派手な見世物」だと述べ、マスクがツイッターを非公開にする、もしくは持ち株をキャッシュアウトして、それが同社の株が売り込まれることにつながると警告した。
ケリーは、マスクの買収提案に関する憶測が「株価の大きな下振れリスクをもたらす」とし、マスクが今月初めに取得した約9%の株式を売却すれば、同社は困難な状況に陥る可能性があると指摘した。
ツイッターの株価は、マスクが4月4日に出資して以来、15%近く上昇して約45ドルをつけているが、KeyBancのアナリストもこの上昇が反転する可能性が高いと警告し、ツイッター株の格付けを「買い」から「ホールド」に引き下げた。
KeyBancのアナリストのジャスティン・パターソンは、ツイッター株が昨年約73ドルで取引されていたことを考慮すると、取締役会がマスクの提案を受け入れる可能性は低く、買収提案が「立ち消えになる可能性が高い」と述べた。
しかし、マスクの提案を拒否した場合にツイッターは大株主を失うことになり、自社のプロダクトに関して「これまで以上の批判を受ける可能性がある」とパターソンは指摘した。
ツイッターの評価が引き下げられる中で、同社の見通しについて強気を維持するウォール街のアナリストはほとんどいない。FactSetのデータによると、「買い」と評価するアナリストはわずか23%で、大多数は「ホールド」としている。
スティーフルのアナリストのケリーは直近のノートで、マスクの動きがツイッターの株価に短期的な上限を設定して、ファンダメンタルズから切り離し、「大きなダウンサイドリスク」をもたらすと述べた。ケリーは、マスクが提案を断念するか持ち株を売却した場合に、リスクがさらに高まると指摘した。
ツイッターの株価は、マスクによる買収提案のニュースを受けて、14日の市場で約2%下落した。通常、株価は買収提案のニュースで上昇するが、ツイッター株は下落して約45ドルで取引を終え、マスクによる全額現金買い取りの提案額である1株当たり54.20ドルを大きく下回った。
ツイッターの取締役会がマスクの提案を検討すると述べたのを受け、マスクはバンクーバーで開催されたTEDカンファレンスで、「拒否された場合にプランBがある」と述べた。彼は、買収するための「十分な資金」があると述べたが、実際に買収できるかどうかはまだ分からないと話した。