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2022.05.08 07:30

英国のテクノロジー業界で「女性社員が急増中」の理由

Getty Images

テック業界におけるジェンダーの偏りは何年も前から問題視されており、特に上級管理職で女性の比率が低い状態が続いている。

人材企業Revolentの調査によると、フォーチュン500のテック企業のCEOに女性が占める割合は5%以下で、2016年から2021年にかけて14%減少していたという。また、女性のテック系人材の64%が、男女の賃金が不平等だと感じていることも判明した。

しかし、テック系人材の需要が急激に高まり、多くの企業がフレキシブルな勤務体系を導入する中で、その流れが変わろうとしている。イギリスのONS(国家統計局)が昨年11月に開示したデータで、英国のテクノロジー業界は過去3年間で15万人以上の女性を採用し、ジェンダーのリバランスが最も進んだ分野の一つとされた。さらに、テック業界に就職する女性の増加率は44%に達し、同じ期間の男性の増加率の約3倍に達していた。

IT系の人材紹介会社Harvey Nash GroupのCEOであるベブ・ホワイトによると、英国のテック業界で働く女性は現在、50万人を超えており、フレキシブルな働き方の導入が女性の参入を後押ししているという。

2018年に設立の投資プラットフォームFreetradeの従業員数は、2019年から現在までに70名から350名に増加したが、同期間の女性比率は20%から30%に上昇した。さらに、テクノロジー部門の女性比率は、5%から15%と3倍に伸びていた。

同社の採用責任者のAmy Gilmanは、「会社が成長するにつれ、男女のバランスは改善された。当社は業界の標準よりも高いハードルを設定することで、その違いを生み出せた」と述べている。Freetradeは、採用担当者や管理職に適切なトレーニングを行い、ダイバーシティの意識を高めてきたという。

さらに、英国ではテクノロジー関連の職種を志望する若い女性が増えているという心強いデータもある。イギリスの大学入試機関 (UCAS) の調査によると、英国の大学の IT系の学科では、女性の志願者が過去最多となり、過去 10 年間で 82% 増加していた。

「この分野への女性の進出は、今後5年から10年の間に大きな変化をもたらす可能性がある」と、Harvey Nash Groupのホワイトは述べた。「伝統的に男性優位の職場だったテクノロジー業界に、持続的な変化が訪れるかもしれない」と彼女は指摘した。

編集=上田裕資

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