目標は「次のバイトダンス」を送り出すこと
「この仕事が楽しいのは、さまざまな分野と関わりを持てること。ロボット工学やメタバースなどの最新のテクノロジーに、常に最前線から接することができる」と彼女は話す。
業界団体のオールレイズによると、ベンチャーキャピタリストに女性が占める割合はわずか14%というが、ファンの成功は、女性が「世界最高のシード投資家」の称号を得ることができることを証明している。
オールレイズのCEOのマンデラ・シューマッハー・ホッジ・ディクソンは、ファンがシード投資家のリストに選ばれたことが、本家のミダスリストに選ばれたことよりも強いメッセージになると考えている。
「創業間もないスタートアップのシードラウンドに参加する投資家は、まだ無名の起業家たちと一緒に夢を見る勇気を持つ人たちだ。女性がアーリービリーバー(最初の信奉者)の役割を担うことは、とても大きな意味を持つ」と、ディクソンは語った。
しかし、ファン自身は、自分がまだキャリアの初期段階に居ると考えており、このような評価を得ることに戸惑いもあったという。これまで多くの投資を成功させた彼女は、「まだホームランを探している途中だ」と話す。
「私はまだ、自分にとってのバイトダンスを見つけられていない」と彼女は、企業価値が1400億ドルとされるTikTokの親会社の中国のスタートアップの名前を挙げた。
「私はいくつかの素晴らしい投資先に出会ったが、今でもまだバイトダンスのような企業には出会えていない。その思いが、私のハングリー精神を支えている」と彼女は語った。