21歳の女性起業家がスティーブ・ジョブズから学んだこと

スティーブ・ジョブズ(Getty Images)

大学を中退する人の多くは、経済的な問題や個人的な理由からその決断に至るが、現在21歳のオリビア・クラブトゥリー(Olivia Crabtree)が大学を辞めたのは、学費を稼ぐために立ち上げた小さなビジネスが軌道に乗ったからだった。

2019年に彼女は英国のヨーク大学に入学し、環境やエコロジーの勉強を始めた。それと同時に、キャンドルやシルクフラワーなどのハンドメイドギフトをEtsyで販売するようになり、3カ月で1万6400ポンド(約260万円)を稼いだという。

「私はビジネスの経験が一切なく、学費の足しにするためにEtsyで小物を売っていた。けれども、売り上げが伸びているのを見ると、もっと規模を拡大したくなった」とクラブトゥリーは話す。

彼女はその後、SEOの知識を学び、マーケティングやブランディングに関する本を読むようになった。売上はその後も伸び続けたため、6カ月後には大学を辞め、フルタイムでEtsyでストアを運営することにした。しかし、しばらくすると自分が本当にやりたいのは単なる金儲けではなく、人を助けることだということに気づいた。

他のEtsyのセラー(売り手)にアドバイスやコツを教えると、「おかげで売り上げが伸びた」というフィードバックをもらうようになった。電子書籍を出版したらどうだろうと言われた彼女は、『スモールビジネス・ハンドブック(The Small Business Handbook)』という本をまとめ、出版してみたところ、これまでやったどの仕事よりも多くの収入を得ることができたという。

クラブトゥリーのマーケティング戦略は、バイラルに最適なプラットフォームであるインスタグラムとTikTokに焦点を当てるもので、親近感のある動画を通じてそれを教えていた。新しいビジネスが急速に成長したため、彼女はEtsyのストアを閉鎖し、SEOからブランドのコンセプト作りまでを手掛ける新しいベンチャーを立ち上げた。

クラブトゥリーは今では4人のパッケージングアシスタントと、ピンタレストマネージャーを含む8人のチームを抱えており、彼女のベンチャーは初年度で23万4000ポンドの収益を稼ぎ出した。今後はインフルエンサーの支援などの新規事業を準備中で、恵まれない人々がオンラインでお金を稼げるようにするためのNPOの立ち上げも視野に入れている。
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編集=上田裕資

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