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2022.04.17 10:30

イーロン・マスクがSECを「馬鹿ども」と非難、2018年のバトル再燃

イーロン・マスク(Photo by Jonathan Newton/The Washington Post via Getty Images)

イーロン・マスクは、これまで度々物議を醸すような発言で注目を集めてきたが、ここに来て彼は再び、2018年の米証券取引委員会(SEC)との和解の件を持ち出し、激しい言葉で関係者を非難した。

マスクは4月14日にバンクーバーで開催されたTEDカンファレンスに招かれ、TEDのチーフであるクリス・アンダーソンと、ツイッターの買収計画について話した。

その会話の中で、マスクはSECの関係者を「馬鹿ども」と呼ぶなどの問題発言を行った。

2018年9月にマスクは、「テスラの非公開化を考えている。資金は確保した」とツイートし、この発言が「虚偽の情報の流布」にあたると判断したSECに2000万ドルの罰金を支払うことで合意していた。しかし、マスクは14日のイベントでSECとの和解が、強制された結果だったと述べた。

「あの当時、資金は実際に確保されていた。この場でそのことをハッキリさせておきたい」と、マスクは壇上で語った。「SECの全員を責めるつもりはないが、サンフランシスコ事務所のメンバーは、資金が確保されていることを知っていた。それでも彼らは提訴を行ったのだ」と彼は続けた。

彼は、その資金源が何であったのかについては詳しく説明しなかったが、問題のツイートをした当時、マスクはテスラの株式の4.9%を取得したサウジアラビアのPIFと協議を進めていたという。

PIFはその後、テスラ株の大半を売却し、代わりにEV(電気自動車)の新興企業のルーシッドモーターズへの投資を強化した。マスクは、テスラの資産が差し押さえられるような危機を防ぐために、SECと和解せざるを得なかったと述べている。

「その当時のテスラの財務状況は危機的で、私は銀行から、SECとの和解に応じなければ、資金提供を停止し、会社を倒産に追い込むと言われた」とマスクは語った。

「それは、まるで子供の頭に銃を突きつけるような話だ。だから、私はSECに、あの馬鹿どもに譲歩せざるを得なかったのだ。その結果、私は実際に嘘をついていないのに、嘘をついたと認めざるを得なかった。会社を救うために仕方がなかったのだ」

SECの広報担当者のCory Jarvisは、この件に関するコメントを避けた。

今回の彼の発言は、2018年9月に彼がSECとの和解で合意した条項に違反していると思える。彼はその和解で、訴状の申し立てを否定したり、事実無根であるという印象を与えるような発言をすることを禁じられているからだ。

フォーブスは、この件でテスラにコメントを求めたが、返事は得られなかった。テスラの株価は14日のナスダック市場で3.7%下落し、985ドルをつけた。

編集=上田裕資

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