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2022.04.15

NFTバブルの衰退を示す「ジャック・ドーシーの初投稿」の価格

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フロリダ州マイアミで2021年6月4日に開催された暗号通貨会議Bitcoin 2021 Conventionに登壇するTwitterのクリエーター、共同創設者、会長、Squareの共同創設者・CEOのジャック・ドーシー(Photo by Joe Raedle/Getty Images)

2020年12月、ジャック・ドーシーがオークションに出品した「世界初のツイート」のNFTは、その数カ月後に290万ドル(約3億1000万円)で落札された。しかし、このNFTのオーナーが再度オークションにかけたところ、終了日直前になっても入札額は約1万ドルにとどまり、99%の値下がりとなっている。一体何が起こったのだろう?

ドーシーが初ツイートを出品した当初、NFTはまだ一般に知られておらず、入札価格は数千ドル程度だった。しかし、翌年の3月になると市場はハイプモードに入り、NFTのマーケットプレイスOpenSeaの月間売上高は、2カ月前のわずか800万ドルから1億5000万ドル近くまで跳ね上がっていた。

イランのクリプト業界の起業家のシーナ・エスタビ(Sina Estavi)は、この熱狂に飛び乗り、ドーシーのNFTを290万ドルで購入した。フォーブスの取材にエスタビは、「NFTの独自性とツイッターのような価値ある企業との関連性から、このような金額を支払った」と述べている。

しかし、ドーシーが初めてツイートしたNFTに歴史的な意義があることは確かだが、290万ドルという価格を正当化するの不可能だろう。エスタビが支払ったバブル価格は、いわゆる「大馬鹿セオリー」を体現するものだ。

NFTのコレクターで、取引団体のマーケティング責任者であるミッチ・ラクサマナは「このNFTの本当の価値は時間が経てば分かると思うが、実際のところほぼ無価値だと思える」と述べている。

4月5日、エスタビはこのNFTを1万4969イーサ(約5000万円)でOpenSeaに出品したが、数日が経っても280ドル以上で入札した者はいなかった。エスタビは、「なぜこんなに低い金額なのかは、誰にも分からない」と言う。

「世間の人々は、これがただの売名行為であることに気づいたのだ、エスタビは、少なくとも自分のNFTを世に知らしめるという目的は達成した」と、400近いNFTを所有するコレクターのブレイク・モーザーは話す。

バブルは衰退した?


しかし、確かに彼は注目を浴びたが、急速に変化するNFT市場を見誤ったようだ。「現在の市場は、有名人が発表するものなら何でもかんでも飛びつくような状況ではない。多くの人がバブルに嫌気がさしている」と、前述のラクサマナは述べた。

今回のオークションの失敗は、NFTのバブルが衰退したことを示しているが、市場はまだ非常に活発で、OpenSeaの月間取引ボリュームは、20〜30億ドルの間で推移している。さらに、「Bored Ape Yacht Club(退屈した猿のヨットクラブ)」のような著名なコレクションの価格は、史上最高値に近い状態を維持している。

エスタビが投じた290万ドルという大金は、バブルの絶頂期の判断ミスだと考えられるが、彼自身の経歴も波乱に満ちている。彼のスタートアップ企業のオラクルブリッジは、ブロックチェーンがより簡単にデータを取り込むことを可能にすると主張しているが、まだ計画段階に過ぎない。エスタビはまた、昨年イランで逮捕され、服役中の9カ月間、会社を閉鎖していたという。

ドーシーのツイートのNFTの入札額は、ここ1日で約1万ドルにまで上昇したが、エスタビは「5000万ドル以下では売らない」と述べている。

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編集=上田裕資

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